チネローテル 映画感想ブログ

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【映画感想】フェザーズ その家に巣食うもの(ネタバレ有)_物言わぬ感情がそこに在る

皆さんはカラス、お好きですか? 

私は大好きです! なにせ厨二病に罹患していたときのハンドルネームが<ヤタガラス>で……この話、割と最近いたしましたね。前回鑑賞した『ザ・クロウ』ですね。なんでカラスものが被っているのだ? カラス格好良いし仕方ございませんかね。

ただ本作はアクション作品ではございません。最愛の人の死に向き合う家族の話です。なぜか二足歩行するカラス男が出てきてジャンプスケアかましてきますが。なんだあいつ?

 

映画『フェザーズ その家に巣食うもの』の感想です。

簡単あらすじ

妻が死んだ。二人の息子と、夫を遺して。夫=父親は妻を失った悲しみをひた隠しにしながら息子の世話に奮闘し、仕事として絵を書き続けるものの余裕のない日々に疲弊していく。そんなある日、父親の留守電に知らぬ男からの不気味なメッセージが入っており……

※上記は、筆者チネローテル大家によるオリジナルのあらすじです※

Filmarks短評

評価:★★★★(星4)
※若干の音によるジャンプスケアあり

 

ネタバレなし感想

■美しく、不気味な映画

陰影、構図、カメラワーク、本作からは強い美しさを感じました。悲しみを美しさと捉えて表現されているといいますか。その一方でホラー映画のような不気味さが、特に中盤までは色濃く表現されている。妻を失った悲しみが恐怖と不安として具現化されている。結構ちゃんと怖いのでホラー映画が苦手な方は観ていて結構しんどいかもしれませんね。

その不気味さの大部分を担っているのが謎のカラス男ではあるのですが、このカラス男も一口では語れない謎キャラでして……詳細はネタバレにて。

 

■空白が多い

本作、メインの登場人物に名称がありません。父と息子二人。一体彼らがどんな家族として暮らしていたかも僅かにしか分かりませんし、失った最愛の母親についても解像度の高い表情は出てきません。ほとんどがボケていたり滲んでいたり、ピントが合っていなかったり。思い出すのも辛い、ということか。

饒舌に語る映画というよりは、表現で物言わぬ語りを入れるタイプの映画です。そのためパッと観ると退屈な印象もありますし、テーマの重さも相まって結構鑑賞に体力が必要な作品かなと思います。

 

ネタバレあり感想

注意
ここから先は、映画『フェザーズ その家に巣食うもの』のネタバレが含まれます。
ご覧になる際はご注意ください。

 

 

 

カラスとは何か?

本作に登場するカラス男は、漫画家(厳密にはコミック・アーティスト)である父が描く創作キャラクターの姿をとってはいますが、妻を失った悲しみや不安、苦痛が具現化したものと思われます

最初は敵意をもって夫のところに入り込み、息子たちを不安に陥れる、悪いものとして描かれます。けれど少しずつ家族に寄り添うようになり、夫のことを“悪魔”から守り、子どもと一緒に遊び、夫がカラスを優しく描けるように成った頃に夫の元から飛び立ち姿を消します。このカラスがなかなか絶妙なキャラ付けで、最初はあんなに不気味なのにどこか愛嬌があるのが面白い。

『終わりの鳥』のデスを思い出しましたね。あちらは死を呼ぶ鳥ではございますが、キャラクターの方向性が近い印象。ただ序盤中盤がとにかく爆音とともに画面に登場するジャンプスケアっぷりを披露するのでそれは暴力だからやめたほうがいいよ?

 

役者映画感は強めかも

寡夫となったベネディクト・カンバーバッチを撮りたい映画感は否めなかった。

主演をたっぷり見せる系の作品ではあるためちょっと長く感じた部分はあり。特に中盤まではしんどい場面が続くのでそこも辛かったですねえ。悲しみに暮れ日常生活がままならずどんどん家が汚くなっていって、その暗闇に孤独にたたずむ父……みたいな。そういう場面をしっかり見せるもんでございますから、ベネディクト・カンバーバッチ氏のファンにはたまらないかも。

とはいえあの重い前半があるからこそ、爽やかなラストが沁みるところはあるのですが。急に問題を乗り越えてからトントン拍子で話が進んでそのまま終わってしまうものですから、本作はほぼ悲しみと苦しみの物語なのだなあと。そこは好みが分かれそう。個人的には序盤中盤あっての終盤の爽やかさだったので好きでした。

でもビーズクッションの中身を撒き散らすのはやめたほうがいいよ!

 

 

 

 

映画『フェザーズ その家に巣食うもの』の感想でした。

この作品、画面比率が小さめで、縦に両端がバツっと切れているタイプの映画なのですが、画面が暗すぎるせいで両端のレターボックスめいた部分が全く気にならない場面があったのが妙に興味深かったです。完全な闇と、あの瞬間は一緒だったのだなあ。

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