皆さんには、トラウマはありますか?
私にとってのトラウマは迷子、道に迷うことです。まるで知っている世界から、知らない世界に放置されたような気がして。あなたはもう元いた世界では不要なのだと宣告されて、別の世界に捨てられてしまったのではないかと錯覚することがあります。未だに数年に一度、未だにわけのわからない理由で迷子になることがあります。
不思議なことに、別にそれらしいトラウマを抱く原因が幼少期に遡っても全く思い当たらないのですよね。何に植え付けられたかもわからないこの強烈な違和感は、どこから来たのでしょう。
でも、きっとわからないほうが幸せなのでしょう。わかってしまったら、連れ去られてしまうかもしれないから。
映画『FRÉWAKA/フレワカ』の感想です。
簡単あらすじ
※上記は、筆者チネローテル大家によるオリジナルのあらすじです※
Filmarks短評
映画『FRÉWAKA/フレワカ』のレビューを書きました! https://t.co/173lLpvDS4 #Filmarks #映画
— チネローテル大家 (@cinerotel) 2026年2月7日
こじんまりホラー
評価:★★★(星3)
ネタバレなし感想
■規模は小さめだが、じんわり不気味
本作は凄まじい脅かしがあるわけでもなく、鑑賞者の心に傷をつけるようなショッキングな展開もない作品です。ただじんわりと救いが削られていって、ゆっくりと終わっていきます。いわゆる因習村ホラー色が強いわけでもありませんし、一緒に暮らす老婆が実は狂人で……みたいな話でもございません。ほんのりぼんやりと、嫌な気分になれます。
鑑賞する人によっては退屈に感じてしまうかもしれませんが、雰囲気がお好きな方は多そう。
■ミッドサマーに続く、という触れ込みについて
公式サイトに以下のような文面がございます。
『ミッドサマー』に続く、救いなきフォークホラー
確かにアイルランドの伝統的なお祭りの話は出ては来るのですが、そこはメインではございません。説明もありませんし、ほぼ情景のみです。なんとなくこういうことなのかな~と察するような方向性であり、『ミッドサマー』のようにこんな儀式やこんな儀式があって、こんなイベントが……みたいな映画では全くありません。
むしろ本作の見どころは、主人公のシューと老婆ペグの交流部分にあると自分は考えています。フォークホラーと銘打つにはフォーク部分が少なすぎる。割とヒューマンドラマ寄りな気がしています。
ネタバレあり感想
ご覧になる際はご注意ください。
家族になりたかった
シューとそのフィアンセの間には、家族に対する大きな認識の違いがあります。フィアンセは一般的な認識を持っていて、家族とは大切にすべきもの。両親から大切にされてきたのでしょう。けれどシューにとっては、家族もとい母親とはトラウマそのものなのです。ここのすり合わせができないままに結婚を選んでしまうのはなかなかに厳しい……。物理的にも心の距離的にもフィアンセと離れ、シューは孤立してしまいます。けれど、最初は仲の悪かったペグと次第に仲を深めていき、まるで家族のようになっていく……ここは微笑ましかったです。
ですが、家族のようではなく、まさに家族になるはずの相手だったと判明してからはもうどうしようもなくなってしまいます。
ペグはいたたまれなかっただろうなぁと。彼女はシューを守るために養子に出すという選択を取ったのに、むしろシューにトラウマを植え付け自己肯定感を下げ、挙げ句精霊らの世界であれば自分は必要とされているのではと思わせる原因を作ってしまったことになります。きっと、精霊に逆らおうとした時点で運命は決まっていたのでしょう。
それどころか、シューのフィアンセも巻き込んでしまい、おそらくフィアンセは自らに宿した子を、シューを取り戻すために捧げてしまうのかもしれません。精霊はこうやって呪いを絶やさずに次の世代にも繋げていく。伝統も続いていく。嫌だ~……。
精霊にとってはむしろ、自分たちの家族を奪われたようなものだったのかもしれないから、取り返せて満足なのやもしれませんが。果たして人間として扱われるのか、供物として扱われるのかは不明ですが。アイルランドの伝承に詳しければ彼女の行く先もわかるのかもしれませんね。わからないほうが幸せかもしれませんが……。
メリハリが薄い
本作、雰囲気はよく、シューとペグのドラマも好きだったのですが、いかんせん盛り上がりどころが薄いというか、難しいといいますか。
事前の予告で登場するアイルランドのお祭り場面もすごく短くて勿体ない。あの辺りをもっと見たかった気持ちがあります。フォークホラー感が薄い要因と考えます。全体的な不気味さは好きなのですが、どうにも物足りない感が否めず。惜しい……。
この予告に出てくる場面ほぼ終盤ですからね。もっと観たいよ~!
映画『FRÉWAKA/フレワカ』の感想でした。
伝承、面白いですよね。その国々で個性があって、特色を知ることができる感じと触れてもいいのかどうかみたいなところを知る背徳感みたいなものが。自分は世界史をほぼ学んできておらず元々この辺りに疎いのもあり非常に新鮮です。映画以外でも少しずつ学んでいったら、より映画が面白く観られそう。作品背景をより知るためにパンフレットを買うのもよいのですが、場所がないのがどうしてもネックですね……。
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