チネローテル 映画感想ブログ

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【映画感想】鬼胎(クィテ) 黒い修道女(ネタバレ有)_悪魔とはいえ、しつこさにも限度がある

皆さん、悪魔祓いはお好きですか?

私はもちろん大好きです! ロマンがございますよね。ただ私はまだまだ映画初心者なので、往年の名作は未鑑賞でございます。悪魔祓いの有名どころで言えば、それこそ「コンスタンティン」や、最近の話題作ですと「ヴァチカンのエクソシスト」などでしょうか。再上映、お待ちしております……。

個人的に印象的な作品ですと去年鑑賞した「三日葬/サミルチャン」や、悪魔を祓う訳ではないですが要素として登場する「LONGLEGS」など、やはり悪魔はあらゆる国で畏怖の対象となっている印象です。ただ魑魅魍魎跋扈しがちな日本における悪魔の力は弱そうですが。

本日は、韓国における悪魔と悪魔を祓うシスターを描いた、丁寧で堅実過ぎてしまう一作のお話をさせていただきます。

 

映画『鬼胎(クィテ) 黒い修道女』の感想です。

簡単あらすじ

少年ヒジュンは、何かに憑かれている。奇妙な言動と不可思議な状況を生み出し、神職者らを手こずらせていた。ヒジュンを救おうと尽力するシスター・ユニアだったが、ヒジュンに憑いた“何か”に死を宣告されてしまう。“何か”の存在を認めないパク神父と弟子のミカエラは、ヒジュンに医学的な治療を施そうとするのだが、その矢先にヒジュンの母親が自殺。ユニアはミカエラを説得し、ヒジュンを連れ出し悪魔祓いの儀式を受けさせようとする――

※上記は、筆者チネローテル大家によるオリジナルのあらすじです※

Filmarks短評

評価:★★★(星3)

※ジャンプスケアはほぼなし

 

ネタバレなし感想

■タバコを吸い、ポリ缶で聖水を持ち運ぶシスターだ!

そんなん皆好きじゃないですか。

本作、主人公のシスター・ユニアの属性がバチバチにキマっています。
気だるげにタバコを吸って、白いポリ缶(聖水入り)を持って儀式に殴り込み、祈りの力はお墨付き、挙げ句二つ名は“黒い修道女”。

あまりにも……あまりにも厨二!

こんなんワクワクするなという方が厳しいですよね。タバコはあらゆる悪魔祓い・悪霊払い系作品で、悪いものを祓う(お線香的な)役割を担っていることが多く、この手の祓い師に喫煙者は多い印象ですがそこにシスターなんか加えちゃもう……ね! ちなみに状況次第では口も悪くなります。あまりにも二次元すぎる。

 

■音響がイイ

本作、サウンドがとてもイイです。劇伴もそうですし、効果音もそう。臨場感、没入感を助けていると感じました。この部分においては、劇場で観る意義が強いと思いました。画面や雰囲気も洒落ているので大画面でも映える場面が多いですしね。

 

ネタバレあり感想

注意
ここから先は、映画『鬼胎(クィテ) 黒い修道女』のネタバレが含まれます。
ご覧になる際はご注意ください。

 

 

 

悪魔のお約束、しぶとすぎ問題

本作、敵の悪魔がしぶといです。

まあ……悪魔系あるあるなのだろうなとは思います。それこそ、キリスト教周辺における悪魔の恐怖というのはやはり根強く、悪魔が強ければ強いほどそれを祓うための神の力もより強いという構造になる都合からか相当悪魔がしぶといです。

それは良いのですが、表現が結構一辺倒といいますか。同じ少年に取り憑き続け、儀式の邪魔をし続けて、少年の体を使って周囲を罵倒し続けるという場面が結構多い。ロケーションや状況は変化しているのですが、どうしても「まだやるのかこれ……」という印象が出てしまう。ヒジュン役の方の熱演はすっごく見応えありましたが。

敵が複数いるとかだとまた代わり映えもするのですがね。相手は1キャラみたいなところがあるのでどうしてもワンシチュエーション感が否めない。儀式の雰囲気はよく、結構描写も丁寧なので結構勿体ない印象です。悪魔祓いお決まりの“名前を聞き出す”までも随分長いですしだいぶ力押し感が強いのも気になる。

 

キャラクターは結構いいが、描写は薄め

主人公のシスター・ユニア、彼女と共に動くこととなる、訳あり過去を抱える若手のシスター・ミカエラ、大勢の見込みが薄いとされる、祓い師の弟子の吃音の青年……この三人が協力して、ほぼ見捨てられたようなヒジュンを救おうとするのはかなりアツかったです。ただ青年に関しては登場シーンも短く、(結構ファインプレーをしているにも関わらず)若干印象に残りづらいのが勿体ない。ヒジュンとの友情みたいなものが芽生えているような場面はちょいちょいあったのですがいかんせん尺が短すぎまして。
ミカエラも、元悪魔憑きらしいという経緯がありつつもそのあたりのエピソードが抽象的な感じでした。

ミカエラ、青年あたりをもう少し掘り下げてもらえると、ユニアとミカエラの師弟関係的な良さがより深まったり、青年とヒジュンの友情関係も見えてきたりするのではないかなあと。もう少しその辺りを知りたかった感はありますね。

本作ほとんど悪魔にしてやられるような描写ばかりなので払った代償に対して得られる結果が薄い感じがしてしまうのですよね。ホラーなので仕方はないのですが。ただ言うほどホラーホラーはしていないので、むしろヒューマンドラマ感の方が強いかも。

 

叙階の存在

本作、ユニアが叙階を受けていないから正式な悪魔祓いの儀式ができない、人を斡旋できない、といった展開があります。
あまり詳しくなくのちに調べたのですが、叙階というのは「洗礼を受けた男性に聖職者を任命する」……という内容のことでして、女性は受けられない場合が多いようです。生まれはどうしようもないじゃないかとも思いつつ、そういう状況が起こり得る職業がある事自体はわかるのですが、本作の神父は悪魔祓いにおいてほぼ役に立たないんですよ! おい!

上の決めた仕組みが現場を縛っている終わっている企業体制過ぎて変な笑いが出ました。教えじゃなくて現場の判断を仰いでよお!

 

 

映画『鬼胎(クィテ) 黒い修道女』の感想でした。

鬼胎という言葉自体は日本語にも存在するのですね。意味は心配すること。心中のひそかな恐れ、なのだとか(デジタル大辞林より)。いいタイトル。
本作続編を作りそうな雰囲気があったので、是非続編ではもっとキャラ描写に力を入れていただきたい所存です。設定といいオチの方向性といい、少年漫画的なアツさがちょっとありますね……。

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