チネローテル 映画感想ブログ

映画館で観た映画の感想を書くブログ

【映画感想】廃用身(ネタバレ有)_Aケアに倣い、不要な部分を切り捨てたほうがいい

大変お久しぶりです、チネローテル大家です。

月末の労働に呑まれ、気づけば今週も終わろうとしています。

このような状況になっており……。そして今週土日は最低でも4本追加です。
ば、バカ! 計画性を持ってブログをやりなさい!!

どうにか時間を捻出してまいります。

というわけで今回は、最近増えてまいりました楽しいホラー映画……かと思ったらどちらかといえばミステリーというか、サスペンスのような映画の感想をば。ううむ、割とどっち付かずで迷走している感じでございましたね。

 

映画『廃用身』の感想です。

簡単あらすじ

デイケア「異人坂クリニック」の院長・漆原は、病による身体の麻痺に苦しむ患者や介護現場の苦痛を目にし、回復見込みのない手足、通称“廃用身”を切断する治療を発案する。不審に思う職員もいる中、漆原はその治療をAケアと名付け高齢者に薦めるようになる。その話を聞きつけたある編集者・矢倉は漆原に取材をし、Aケアによって元気になった高齢者たちの姿を目の当たりし感銘を受け、本の出版を持ちかける。自らの生み出した治療法に自信を持っていた漆原だったが、週刊誌にAケアのゴシップ記事が掲載されたことをきっかけに状況が悪化していく。

※上記は、筆者チネローテル大家によるオリジナルのあらすじです※

Filmarks短評

評価:★★★(星3)
※原作未読。若干の暴力シーンあり

 

ネタバレなし感想

■間延びしている

無駄なものは切ってしまおう、しかしそれが正しいのか? という話に対し、映画自体が非常に間延びして退屈な出来になっているのは映画フォーマットを利用した皮肉ということでよろしいのでしょうか。本作における一番のネックはここです。シンプルに長過ぎる。

宣伝の際もそうだったのですが、不気味でホラーめいた雰囲気を出しているのは一体なんなのでございましょうか。

引用元:映画『廃用身』公式サイト

本作、別にそういう話でもないのですよね……。割と「現実みのある」「考えさせられる」系の作風です。私は予告やこの宣伝方向性を見て、サイコホラーか何かなのかと勘違いしかけていました。あらすじを読んでどうやらそうでもなさそうだと思い直したのですが。

おそらくこれは見せ方の問題です。カメラの撮影方法も、素人側の印象で本当に申し訳ないのですが似たようなカットばかりに感じました。ゆーーーーーーーっくりカメラが引いていく、みたいなものをたくさん観ました。それが効果的になっていれば良いのですがただ間延びしているだけでかなり苦痛。そこをたっぷり見せてもなあ……という。冒頭のファーストカットがそれなので、ああ、この映画は合わないかもなと最初の段階で思ったのが最後まで続いた形ですね。

映画の上映時間が長過ぎる印象でございました。そしてあまり起伏もない、淡々とした方向性なので退屈に感じる部分も多かったです。個人の好みで言えばもっと振り切りがほしかった。例えばですが、モキュメンタリー方式の方向性で攻めるとか。結構合うと思うのですよね。


■テーマは好き

これは原作の力なのでしょうが、話のテーマ自体は非常に興味深かったです。当事者、周囲の感覚、そして世間の感覚は何に即しても全会一致することは難しいですからね。誰にとって正しければ良いのかは状況によって異なりますし。

漆原が悪人だったかと言われると正直そうでもないですし。ではゴシップ誌やマスコミの報道が悪だったのかと言われると、それも少し難しい。過激な治療であることは間違いなく、ある意味正義の鉄槌、みたいな風に見えなくもないですからね。

正しいか正しくないかという判断軸も間違っているかもしれませんが。

 

ネタバレあり感想

注意
ここから先は、映画『廃用身』のネタバレが含まれます。
ご覧になる際はご注意ください。

 

 

 

漆原は教祖だったのか?

「気づけば漆原先生に流されていた」という言論は果たして通用するのか。

そんなわけございません。
そもそもそれが通用するなら昨今の犯罪も下っ端は無罪になりかねないですからね。

本作において、正しいか正しくないかはさておきとして最も罪深いのは、Aケアの施術決断をしておきながら最終的に患者の状況を漆原のせいにする人々です。いくら流されやすい状況があったとはいえ、だって想像しやすいではございませんか。外観に大きな差が出るのですから。しかも既に施術されている人たちを見る機会もある。そんな中で、最終的に施術に満足できなかったから人のせいにするだなんていくらなんでも虫が良すぎる話じゃございませんか?

……まあ、そういう方は珍しくないのでしょうね、という話です。信じるものは救われる、なんて言葉がございますが、信じる気持ちがなければ結局のところ何においても猜疑心マシマシになってしまう。一見荒唐無稽で馬鹿らしいことでも、それを選択した者が信じ、肉体あるいは精神が救われているのであればそれでよいのです。

差し伸べられた手を取ったのならば、その手を掴んで地獄に放り込むようなことはするべきではないのです。

 

それはそれとして漆原のやり方も軽率ではあったのかもしれませんがね……。もっと説明をしっかりして、リスクの話もすべきであった。ぱっと見た感じだと明確なデメリットについてはあまり強く論じてはいなかったと思われます(ビジュアルで分かりやすいからかもしれませんが、それ以外にも悪い影響が出ない保証はないはずなので)。

まあ、結果が気になってしょうがなかったのかもしれません。人間らしいと言えばそれまでですが。自分のやったことでどのような結果が生まれるかは、内容はともかく、皆気になって仕方がなくなるものでございます。

 

実際どうなの?

もちろんフィクションである前提のもと、Aケア、やるなら実際にはどうなのか? という話なのですが、どうやらあんまり推奨されないっぽいのですよね。

あくまで1つの推奨されなさげポイントですが、道具部分がございます。
世の中のアイテムは、当然ながら多数派の方が使える形で存在しているものが多くなっています。つまり、五体満足の方のための器具が多い。体の一部を敢えてなくしてしまうと、それだけでどうしても対応する器具は減ってしまいます。結果として、総合的に負担が増える。ううむ……。

結局、大多数と違うことを行うのは得策ではなく、容易なことではない。そしてリスキーである。それでもやるのか? そういうことなのでしょうね。

 

映画『廃用身』の感想でした。

公式サイトが凝っているのはかなり好きです。ホラーめく必要はないのに! やっぱりモキュメンタリー方向性どうですか!? とはいえモキュメンタリーはモキュメンタリーでもちろん良くない部分はあるのですが。最近だと、あまりに増えすぎた、とかね。

多数派。

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