皆さんは、アカデミー賞ノミネートとか、アカデミー賞受賞! という文面についてどのような感情を抱かれますか? 私は身構えてしまうことが多いです。
……はい。こちらは以前記載した『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』の冒頭テキストとほぼ同じ内容でございます。
▼個人的にはノレなかったクズ男のドタバタ借金ドラマ映画の感想はこちら
と、過去記事の露骨宣伝をさせていただいたところで、手前味噌といいますか自分の書いた記事の冒頭テキストを引用いたしますね。
私はあくまでエンタメとしての映画を愛しており、難しいことはわかりません。だからこそ、アカデミー賞にノミネートされたり受賞したりする作品を鑑賞しても評価を理解できず首を傾げてしまうことが多いのです*1。
もっと映画を見続ければなにか変わるのでしょうか。そう信じたいです。別に評価に共感できなくても理解できさえすれば……。
私はこの一年とちょっと、そこそこ映画を観てきた側と考えています。アカデミー賞関連作において、映画を見続ければなにか変わるのか。はっきりとしたことはまだ分かりませんが、今まで観てきた映画との相違点は積み重ねの結果わかるようになってきました。
つまり何を申し上げたいかといいますと、
本作は、私が鑑賞してきたアカデミー賞ノミネート・受賞作系の
ヒューマンドラマ史上、個人的最高傑作でございます!
この映画を観られて良かった。そう自信を持って言える一作です。
映画『ハムネット』の感想です。
簡単あらすじ
※上記は、筆者チネローテル大家によるオリジナルのあらすじです※
Filmarks短評
映画『ハムネット』のレビューを書きました! https://t.co/3NueO5q8OX #Filmarks #映画
— チネローテル大家 (@cinerotel) 2026年4月12日
素晴らしい‼︎
個人的にはヒューマンドラマ作品でベスト級
評価:★★★★★(星5)
※軽度の性描写あり
ネタバレなし感想
■素晴らしい脚本ペース配分
本作はウィリアム・シェイクスピアとその妻アグネス、そして子どもたちを描いています。とはいえメインはアグネスかな。前半では二人の出会い、そして子どもたちに恵まれ幸せな家庭を築くまでの物語で、後半は『ハムネット(ハムレット)』が生まれるまでの物語という内容になっています。
一部の映画サイトのあらすじですと後半部分がメインで記載されており、映画の大半を占めているかのように思われるかもしれませんが実際は前半部分にもばっちり尺が咲かれており、二人が出会い家庭を持つまでの幸せな日々が丁寧に描かれています。
予告やあらすじだけでは地味めか、あるいはたっぷり(悪く言えば冗長に)役者の演技を見せるタイプの作品かな……と個人的には感じてしまっていたのですが、本作は全く退屈する場面がございませんでした。これが私としては本当に衝撃でした。
ヒューマンドラマというのは結構役者陣を魅せる作品が多いのかな、と今まで鑑賞した作品内容から分析・判断しており、どうしてもダラついてしまったりテンポが悪くなってしまったりすることが多い印象があるのです。ですが本作にはそれがない。決して派手な場面ではないのに、見せ場が用意されている。アップだけでなくヒキのカメラもかなり印象的でどこか絵画のような構図すらあります。けれど変な意味でアートアートしていないというか、娯楽作としての体裁もしっかり保たれている。本当に感動いたしました。脱帽でございます。完璧です。
■役者陣の演技
本作については、私としてはほぼ気になる箇所がなく基本的に褒めることしかできなくなってしまうので、何を取り上げるべきか迷うのですが……カメラもよく、構図もよく、劇伴もよくといった形なので。
ですがここはアカデミー賞主演女優賞を受賞したこともありますし、やはり役者陣の演技を挙げさせていただきましょうか。素晴らしかった。これに尽きます。主演女優賞を受賞されたジェシー・バックリー氏をはじめとする役者陣皆様が、これが映画ということを忘れさせるほどの真に迫った演技をされておりました。ハムネットを演じていた子役の少年も本当に良かったですね……。
これは私事で恐縮なのでございますが、この後続けて『ザ・ブライド!』を鑑賞いたしまして、そちらの主演もジェシー・バックリー氏でございました。が、あまりにも印象が違いすぎて3度見くらいいたしました。声を聞くと同じ方っぽいなとは思うのですがビジュアルと演技の方向性が違いすぎる。役者さんってすげーんだ(IQ3)
ネタバレあり感想
ご覧になる際はご注意ください。
やっと見送ることが出来た
ラストシーンが本当に素晴らしかったです。
これが好きだったと挙げたい場面はたくさんあるのですよ。森でウィリアムがアグネスにオルフェウスの悲劇の話を語って聞かせるとか、アグネスと弟が母の口癖を復唱するやり取りとか、子どもたちのちょっと不気味で奇妙な演劇とか、ハムネットが出口のないどこかで迷子になる場面とか、挙げればキリがございません。
ございませんが……やはり最も心に風穴を開けた場面を挙げろとおっしゃられるのでしたら、ラストが本当に良くて。
全てが終わり、静寂に満ちた舞台の上で、ハムネットが舞台につくられた作り物の森に去っていく。それを優しい微笑みで見送るアグネス。そのアグネスの表情は本当に心からの笑顔で、そんな顔は本当に久しぶりで……。きっと、その表情を舞台袖から見守っていたウィリアムも目にしていて……。
もうこの場面は思い出すだけで鼻の奥がツンといたします。鑑賞後は見事に鼻水ズビズバ(ドゥビドゥバのリズム)でございましたからね。ずっと長い間夫婦が探し続けていたハムネットがここにいたんです。そして、どこへ行ったかもわかった。アグネスの側に在った森の中の深い洞穴、暗闇の中に彼は往ったのです。森はずっとそこにある。物語は永遠に残り続ける。ハムネットの死を、人々は悲しみ続ける。
『ほどなく、お別れです』にて、葬儀というのは残された人が前に進むための儀式だという話がございました。この作中における「ハムネット」という舞台も、シェイクスピアが少しずつ前へ歩き出すための大切な物語だったのだなと……。
いい。素晴らしい。本当に良い。ありがとうございます。これが物語の力だ!
テンション上がりすぎてホビアニ主人公みたいな言葉遣いになってしまった。
それはそれとして
出会い→アプローチ→“仕込み”→結婚の流れが早いよォ!
さすがに本作はこの辺りの展開が早すぎます。一目惚れとはいえそんな、こう、簡単に受け入れるもんでございます!? 怖くないですか!?
ですが色々洋画を観てきて気づきました。なんだかんだ恋愛というのはこういうものかもしれません。このスピード感については映画鑑賞をするうちに少しずつ慣れてきました。この手の恋愛スピード成立イベントだと例えばプロムパーティとか、異文化過ぎるけど楽しそうですものね。私は踊る相手も見つからずすみっコぐらしになるしかございませんけども。どうか私は許してくださいな、キャリー(おそらく不可)。
ジャパニーズカルチャー・アニメの多くが出会いからアプローチまで永久にうだもだしすぎなだけなのでございます。もう付き合っちゃえよ! とヤジを飛ばされるより自己完結は素晴らしいことなのかもしれない。決断力!
それはそれとして計画性はですね(以下割愛)
映画『ハムネット』の感想でした。
こんなに、映画としての完成度とエンタメ的な見どころがしっかり用意された、パッと見硬派だけどしっかり面白いヒューマンドラマが存在するのかと、青天の霹靂でございました。先々週まで『プロジェクト・ヘイル・メアリー、最高~!(地上波映画CM雑ノリ)』だったのに、どうしてくれるのでございますかこんな名作連発して。私をどうしようというのです? ありがとうございます(平身低頭)。
TOHOシネマズ大井町には、サイネージがない。悲しいね。写真はありません。今度からは近くの景色を撮ってかえってきます。
あと……これは多少は仕方がないことなのですが、多分轟音シアター? から若干音漏れしてました。本作観たのはスクリーン5だったかな。ご利用の際はご注意くださいね。
なんだかチネチッタのLIVEZOUND下のシアターを思い出しました。チネチッタには注意書きがあるけど、TOHOシネマズ大井町には多分注意書きなかったので気になった人多いんじゃないかなあ。新しい映画館なのにその辺り対策されてないのは微・気になり。
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