チネローテル 映画感想ブログ

映画館で観た映画の感想を書くブログ

【映画感想】花緑青が明ける日に(ネタバレ有)_アニメーション表現におけるひとつの到達点

皆さんは花火、お好きですか?

私はそこそこ好きでございます。現地のお祭りに積極的に観に行くほど熱心ではございませんが、隅田川の花火大会の生放送はなんとなく観てしまいますし、幼少の頃特別解放されたショッピングモールの屋上で家族とともに観た花火の記憶は今でも鮮明に覚えています。テーマパークでも花火に触れる機会はございますし、やはり身近な存在であることは確かです。

本作はそんな、花火をテーマにしたアニメーション作品でございます。

 

映画『花緑青が明ける日に』の感想です。

簡単あらすじ

老舗花火工場・帯刀煙火店は、街の再開発による立ち退きを迫られていた。抵抗を続ける花火店の息子敬太郎、花火店から離れ役所に就職する敬太郎の兄千太郎と、上京した幼馴染のカオル……。4年の時が経ち、帯刀煙火店への行政代執行が明日に迫っていた。カオルは千太郎に、敬太郎を家から追い出すよう頼まれる。敬太郎は4年もの間、蒸発した父に代わり花火づくりを続けており、ついに幻の花火である<シュハリ>を作り出したというのだが――

※上記は、筆者チネローテル大家によるオリジナルのあらすじです※

Filmarks短評

評価:★★★★(星4)

 

ネタバレなし感想

■映像がすごすぎる

とにかく凄い。予告の時点でもかなり綺麗なアニメーションをしているなと感じていたが、背景や自然の描写、ちょっとしたカットですら非常によく作り込まれており見応えがございました。間違いなく、本作における一番の見どころでございます。花火の場面も時間的割合的には少なめですが美しかったです。花火以外も本気のアニメしているのだよなぁ……。
構図も結構凝っていましたね。時系列が若干前後する表現もあるのですが、その辺りをアニメの構図や対比でうまくわかりやすくしていたように感じます。

是非とも、劇場の大スクリーンで味わっていただきたいです。

 

■話はシンプルでわかりやすい(リアリティはさておき)

話としては非常に分かりやすく、立ち退きする前にドでかい花火を一発あげてやろう(物理)という話です。複雑な話の筋になるのかと思いきや意外とシンプルでございましたね。

ただその一方で、色々と「あれ? それって使っていいんだっけ?」とか「それは法律的に……ありえるのか?」とか「そんな一瞬で花火ってできるっけ?」みたいな妙なリアリティ部分の無茶感は強いです。そういうもんだと早々に飲み込めてしまえば大丈夫だとは思います。創作ですしね。

 

ネタバレあり感想

注意
ここから先は、映画『花緑青が明ける日に』のネタバレが含まれます。
ご覧になる際はご注意ください。

 

 

 

花火玉って一日で作れるのか?

おそらく作れないっぽいです。

www.hanabi-abe.co.jp

乾燥諸々を含めると最低でも一週間はかかるようですし、本作で打ち上げた花火は相当どでかいものでございましたから、まあ……。まあまあまあ。創作ではあるのですがね。4年間敬太郎が考え続けてたどり着かなかったところに、カオルとの再会で一日で到達してそこから一気に花火を作り出すという流れはだいぶ無理があるなぁと思ってしまったので。まあそもそも家の中から打ち上げるとかお前そんな……やめろよォ!! でございますからね。花緑青も毒性があるということで今は使用禁止の顔料ですし。

あの「実はすぐそばにシュハリを作り出すヒントはあったんだ!」のシーン、映像は凄いのですが何をどう納得しているのかが観ていて全く理解できなくて笑ってしまいました。敬太郎とカオルがわかっていれば良いけどあまりにも日本語でおk。

その後の千太郎含めた謎作戦会議も謎すぎて面白かったです。あそこは台詞というよりは映像表現が面白かったのですがね。急にストップモーションになるの良すぎる。そっちの表現も行けるのか……。

全体的に外連味の作品ではありました。それでも、やりたいことがとても明確だったので自分は好きでした。

 

キャラクターについて

頑固者の集まり。なんでそこまでするのかとか、そのパワーはどこから来るのかとか、そもそもどうやって生活していたんだよとか深いところを突き詰めるとツッコミどころ満載になる気はするのですが、描写は多くなくともキャラの空気感や動きからにじみ出てくる性格や来歴みたいなのが感じられて不思議とすんなり受け入れられました。

キャラクターの描き方が説明過多でなく個人的にはかなり好み。とはいえキャラが好きかどうかとは別の話ですが……。でも敬太郎とカオルは一緒の罪を背負っている、共犯者である以上彼らの世界があって然りなのだろうなと思ってしまうので。

 

結末の解釈

自分は少し悩んでいて……。

映像をそのまま受け取れば、あれは敬太郎が無事生きていて、一緒に生活している? ような気がするのですが、とはいえカオルの幻覚説も否定できない気がしていて。直前にコンビニで過去の幻覚見てますし(ただこれは幻覚であることを理解しているので弱いか)。

あの実家大炎上の状況から助かることあるのか? というのもあり。ううむ。あれだけ家にこだわっていた敬太郎が燃え盛る家から離れるかというのもちょっと分からず。父親がこっそり助け出していたとかもう少し裏付けがあればよいのですが何も……。生きているので良いのか? 外連味系作品ならそうか? むずかしい。ラストだけ異様に難しくないですか本作?

あと実家大炎上、残っていた花火玉とか爆発して派手なことにならんのかなぁと見ていました。敬太郎が作った花火玉もあったはずなので。わからん。

 

 

映画『花緑青が明ける日に』の感想でした。

総評としていいアニメーション作品だったな~と。アニメにしかできない表現というのか。そういうものがいっぱい詰まっていた気がします。劇場で観る意義が間違いなくある! ぜひともぜひとも。

f:id:cinerotel:20260308092854j:image

↓もしもお気に召されましたら…クリックやスターなど…励みになります! いつも感謝です↓

 

hanaroku.asmik-ace.co.jp