チネローテル 映画感想ブログ

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【映画感想】神社 悪魔のささやき(ネタバレ有)_言うほど悪魔はささやいてくれない

皆さんは、祈祷師、お好きですか?

私はもちろん大好きです! ロマンがございますよね。ただ私はまだまだ映画初心者なので、往年の名作は……。すみません、これやりましたね。割と最近に。この時は悪魔祓いって言いましたけど、今作もだいぶ悪魔祓い要素あるので。

cinerotel.jp

今作は厳密には悪魔悪魔しているかと言われるとちょっと異なるのですが、ほぼそちらの部類の作品と考えてよいはず。今の時期は悪魔がブームなのでしょうか。あるいは日本があまり認識していないだけで、悪魔映画は結構コンスタントに制作されているだけなのかも。

あらゆる国の皆さん、悪魔ホラーがお好きなのですね。私も好きですが。
ただ、その怖さを心から理解できるかと尋ねられるとちょっと怪しいのは相変わらずでございます。私『真・女神転生』シリーズが大好きなので、どこか仲間みたいな印象になってしまうというのが問題過ぎる*1
今作に登場する敵の名前を聞いた直後から、私はもう『真・女神転生』シリーズのキャラデザインしか出なくて困りました。これが雑念か……。

 

映画『神社 悪魔のささやき』の感想です。

簡単あらすじ

神戸では、日韓の学生たちがアートを制作・展示する、日韓合同の文化交流プロジェクトが企画されていた。準備を進めていた企画マネージャーのユミだったが、妹のヒジョンと連絡が取れなくなる。ヒジョンを捜しに行くアトリエ仲間たちだったが、山中の廃神社で様子がおかしくなり……。常軌を逸する状況に混乱したユミは、美術学校の先輩であり、祈祷師(ムーダン)であるミョンジンに助けを求める。

※上記は、筆者チネローテル大家によるオリジナルのあらすじです※

Filmarks短評

評価:★★★(星3)
※そこそこのグロ描写あり

 

ネタバレなし感想

■韓国の映画だけれど、日本が舞台だ!

監督も日本の方ですが、本作は韓国映画として作られています。なので韓国・日本の役者さん双方が、日本語と韓国語入り混じる状況で演技されるのがなんだか新鮮。舞台も馴染みのある町並みが出てくるので妙に嬉しかったです。公式サイトによるとオール・神戸ロケとのこと。凄い!

作中冒頭に登場する廃屋「バラックリン」は、存じ上げなかったのですが神戸に実在するスポットということで、非常に雰囲気があり、ロケーションとしても抜群にイイ。廃屋を改築したとのことで、そちらの改築を担当された方々による紹介サイトもございます。

nishimura-gumi.net

この写真だけでも見応えがありますよね。

実際のところ町おこしとしても使われているようで……え、いいのですか? 本作のような使われ方でも? 詳細はネタバレに逃がしますが逆に人が減ってしまいませんか!? いや、考えすぎなだけでそうでもないのかな……。聖地巡礼としてはアリなのかもしれません。

 

■良くも悪くも定番詰め合わせ

本作、舞台が神戸であり、日韓合同感のある作品というなかなかユニークな特性をもってはいるものの、内容としては既存のホラー作品とそこまで大きな変わりはなく、今までホラー映画を観てきた方々からするとだいぶ既視感を覚える展開が多いかと思います。私ですらそう思ってしまったので。

前述の通り、雰囲気はとっても良いのでそこが少々勿体ない印象でございました。

 

ネタバレあり感想

注意
ここから先は、映画『神社 悪魔のささやき』のネタバレが含まれます。
ご覧になる際はご注意ください。

 

 

 

ラクシャーサさんだ!

私、何を隠そう『真・女神転生』シリーズのラクシャーサさんがかなり好きでございまして。デザインが格好良いのですよね! 口調も兄貴分みたいな形で。戦闘でも強化に強化を重ねて終盤までお世話になったほどでございます。

というわけで、今作の「悪魔ホラー系にあたる総大将悪魔ポジ」がラクシャーサチョイスであったことが自分にとってはまあまあ大打撃というか、恐怖対象から見事に外れてしまいまして……。私の通った作品のせいなので私の自己責任ではあるのですが。

 

余談はさておき、ラクシャーサは仏教的には神様の扱いだけれど、バラモン・ヒンドゥー教的には悪鬼・魔物として扱われているとのこと。今回は魂を喰らい人の肉体を乗っ取るというムーブをしていたので後者の扱いと考えてよいはず。かつての神戸で密かに信仰する者がいたのでは? そして封印されていたのではないか、という神戸ロケーションを活かした設定自体はGOOD。

ただ、牧師がどういう経緯でラクシャーサを信仰するに至ったのかは分かりませんが、そんな悪魔復活の儀式みたいな見るからに胡散臭い諸々を他ならぬ牧師が信じちゃダメでしょうよという。奥さんのことは気の毒ではありますが、そもそもキリスト教も、イエスを信仰している人は絶対に幸せになれます! という宗教ではなかったはずですし。そして悪魔らは人の弱い部分に漬け込んでくるというのは常識of常識のはずなのですが。心が弱い!
正直に申しますと、闇落ちした牧師という概念が若干食傷気味な気がいたします。もうちょっと奥さんとのなにがしかを描いていただきたかった。そもそも奥さんの母親にあたる人は学生らの“食”を掌握していたわけですし、いくらでも生贄に捧げられそうでしたのに……認識不足もあったのかもしれませんが、このあたりはどうにも納得感が薄かったですね。あとは、終盤の絵面が地味なのも勿体ない。
何にせよ、このあたりは個人的な好みの問題もあります。悪人に悲しき過去ありというのが言い訳っぽくて好きではないので……割とありきたりですし……牧師がやっちゃアカンですよ……。

それはそれとして、本作で一番いい表現と感じた部分は、“何か”になってしまった奥さんが、牧師のもとに歩いてきつつ肉塊をボトボト落としていく場面と、過去の描写における奥さんが歩いた後にできる血の軌跡の場面の思い出しですかね。こういう演出の方向で色々観たかったのですがあまりなかった。

 

 

結局負けるんかい

悪魔ホラーあるある、結局負ける。

なんとなく想像がついてはいましたが、主人公のミョンジンが最後ラクシャーサに乗っ取られて終わります。あるいは元々ミョンジンがラクシャーサの器として最適で、ラクシャーサによって彼も呼ばれていたという解釈もできなくもないですが。恋敵を呪い殺している時点で色々擁護できない。

なんというか今作、だいぶ詰め込みすぎな印象があるのですよね。ラクシャーサの話、牧師の過去と信仰の話、ミョンジンの過去の話、日本の信仰の話などなど。それらが上手く結びついていればよいのですが、個人的には雑多に感じてしまったな~と。結局弱い部分を見透かされた人々が悪鬼に魅入られて終了という。

負け方も、バッドエンドだけれどギリギリまでハッピーエンドかもしれないみたいな方向性の負け方なので消化不良。そもそも祈祷師ならば祓って終わりにしてくださいよ! どうしてショット・ガーンで終わらせてしまうのですか!? それが許されるのはゾンビモノくらいではございませぬか。あるいは最初からそういうタイプの祓い師か。

祓い師っぽさあんまりなかったのも残念です。それっぽさがあったのは終盤くらい……? 道中も鈴は鳴らしていましたが、地味な印象。もっと派手な方向性で観たかった!

 

恐怖表現とグロ描写について

竜頭蛇尾感が勿体ない!

冒頭の廃神社に突撃する場面の不気味さであったり、自殺ラッシュ(最悪な響き)であったりはかなり見応えがあったのですが、中盤以降はそこまででもなく。これも詰め込み過ぎたる所以かもしれません。

あ、ラストシーンのフォーカス外で燃える牧師は面白かったです。面白いのはダメではないか? 体張っているのだしもっと注目してあげてくださいよ……可哀想ですよ……。

 

 

映画『神社 悪魔のささやき』の感想でした。

冷静に考えなくても内容に対してタイトルが合っていませんね。言うほど神社しているのか? サブタイの方は……いっそもっと悪魔にささやいてほしかった気もしてきました。ホラー作品はどうしても展開が似通ってしまう部分がございますので、突き抜けた何かが欲しい今日このごろでございます。日本をロケ地に選んでくださる海外映画ということはとっても嬉しかったので、ぜひ今後もこの手の企画をですね。是非とも。

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*1:『真・女神転生』シリーズでは、悪魔や天使などといった古から伝わる存在らと取引し、彼らと共に世界を救うという筋立てがある。つまりは悪魔や天使をパーティメンバーとして戦う、RPG作品