チネローテル 映画感想ブログ

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【映画感想】君が最後に遺した歌(ネタバレ有)_一人の幸せな短い生涯を詰めに詰めきった一本

今更なのですが、本ブログでは「恋愛映画」の鑑賞本数が少ないこともあり、ジャンルは「ヒューマンドラマ」に分類しております。何卒ご了承ください。

 

映画『君が最後に遺した歌』の感想です。

簡単あらすじ

地元の公務員を目指す高校生・水嶋晴人は、試験の合格を有利にするため書いた詩を教師に職員室で読み上げられ、その場に偶然居合わせた遠坂綾音に内容を聞かれてしまう。遠坂は不登校気味の転校生であり、近寄りがたい雰囲気があった。職員室をあとにした水嶋だったが、遠坂に声をかけられる。驚く水嶋をよそに、遠坂は自らの歌に詩をつけてくれないかと頼んでくるのだった。

※上記は、筆者チネローテル大家によるオリジナルのあらすじです※

Filmarks短評

評価:★★★★(星4)

 

ネタバレなし感想

■キャッチーな映画

特に前半なのですが、若い層に受けそうな映像表現が色々ございました。儚さを強める光の表現であったり、淡い色彩であったり、いわゆる「エモ」というやつでございますね。

あと、少し前にテレビで特集されていて知ったのですが、「LINEにおいては文章チャットを使わずボイスメッセージで連絡を取り合う」という文化があるそうですね。

www.fnn.jp

その辺りの扱いがうまいなあと。ヒロイン・遠坂は発達性ディスレクシア(文字の読み書きが困難)であるがゆえにボイスメッセージを使わざるを得ないわけでございますが、最初は「ああ今風の女の子なのかなあ」と思わされる感じがイイなあと。予告でヒロインの特性は明らかになってはいるのですがね。

他にも、例えば遠坂が歌う場面で歌詞が画面に表示される(リリックビデオ風?)ことが二度ほどあったり、鑑賞する人が飽きないように展開が色々詰め込まれていたりなど、普段映画を観ない層にも届けようという意図が伝わりました。

本作は、個人的には3つの部に分かれた作品かなあと思っておりまして、特にこの1部あたりが「エモ」と「今風」を盛り込んでおるなあと感じました。水嶋と遠坂の恋模様あたりも割と今っぽいな~と感心いたしましたね。若年層から外れた私の意見なので微妙に的はずれかもしれませんが……。

 

■役者さんの演技はなかなか

主人公・水嶋春人を演じている道枝駿佑氏は、アイドルグループ「なにわ男子」のメンバーの方とのことなのですが、なかなか素敵な演技をされる方だなあと。序盤のヒロインに対する「うわなんやこいつ厄介事勘弁してください」みたいな表情が(多少大げさ感はありつつも)良かったですね~。ここからどう予告の関係まで進展するんだ……? 無理では? と困惑してしまうほどには。
特にこの方、非常に目の演技が印象的でして、ある場面での目の泳ぎ方といいますが、揺れ方が凄いこう……いい意味で絵に書いたようで驚きました。

『木挽町の仇討ち』でキーキャラクターを演じられていた長尾謙杜氏といい、『ほどなく、お別れです』の厳しい上司役を演じられていた目黒蓮氏といい、なかなかの演技をされる方が多く、本業アイドルでありながら凄いなあと……。

そしてもう一つ忘れてはならないのがめるる氏でございますよ! 生見愛瑠氏、演技される方だったのですね。バラエティ番組やモデルの印象が大きかったのですが、かなり自然な演技をされていて良かったです。飾らない演技という感じで。そして歌もお上手でございました。

 

ネタバレあり感想

注意
ここから先は、映画『君が最後に遺した歌』のネタバレが含まれます。
ご覧になる際はご注意ください。

 

 

 

思ったより詰まってるな!?

学生の頃に知り合って付き合ってそのまま亡くなるのか……? と思いきや割とスパンが長い!

先述したとおり、本作は三部構成かなと考えております。
第1部が知り合って曲を作り、別れるまで。
第2部が再会し結婚し幸せな家庭を築くまで。
第3部が病気のことが分かり、生涯の別れの後に家族で歌を歌うまで。

想定より数倍盛り沢山でございました。まさか次の世代の話にまでなるとは思わず。なのでところどころ展開の早さが目立つ部分はあり、そこは勿体なかったなと。詰め込みすぎ感がどうしても否めない印象です。

正直個人的には第1部のノリずっとやっていてほしかったんですがね。オタクの中には自分の手に入れられなかった青春を観るのが好きな層がいるので(偏見)。

しかしまあこの主人公とヒロインの恋模様がまあ今風。自分に自信が持てず相手の将来を想って自らの気持ちは伝えず身を引く水嶋、水嶋の想いを知りながらも水嶋の見たい幸せを描くために一流の歌手になる遠坂。そして最終的に決定打を出すのは遠坂という……。そ、草食系というか……なんですかねこれ……今風だ! 水嶋は引っ張っていくタイプではなく支えつつ、背中を押すタイプなんですよね。むしろ引っ張っていくのが遠坂であり。
ははあ、これが今風の理想の1タイプなのか。私が幼い頃はドラマでは俺系なんてものが流行っていて、ほ~これが理想の1タイプなのか~と思っていたものですが、時代は変わるものですねえ。こう言うとなんというか老人感が凄いな。

 

ちょいちょい気になり点

転校とはいえ、ここまで重度の発達性ディスレクシアの患者が高校に入学できるのか? という疑問はありました。もちろん現実でも例はあるようなのですが、遠坂の症例はかなり重度と見受けられます。まあ創作ですしわかりやすさ優先で仕方がないのですかね。

そんなことを言い出したら水嶋がぬるっと詩人デビューしているのもだいぶツッコミどころがあるのですがそこはもうダイジェストということで是非もなし。

あとは遠坂の余命宣告まわりも、本人にだけ伝えることってあるのだろうか? と疑問に思いました。ただ、少し調べたところ今はありえることのようですね。昔のドラマで家族にしか言わないという状況をよく目にしていたものですから。この辺りも変化しているのだなあ。

 

 

映画『君が最後に遺した歌』の感想でした。

水嶋がプロデューサーらしき人に自分の書いた歌詞を「厨二くさい」と揶揄される場面がありましたが……外部の人がいるかもしれない場でああいうこと言うの本当によくないなと感じました。誰が聞いているか分からないんだぞ!! 口は災いの元だよ!!!

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