皆さんは、この映画はアカデミー賞にノミネートされています! と聞いてどう思われますか?
私は、部門にもよりますが少し身構えてしまうことが多いです。私はあくまでエンタメとしての映画を愛しており、難しいことはわかりません。だからこそ、アカデミー賞にノミネートされたり受賞したりする作品を鑑賞しても評価を理解できず首を傾げてしまうことが多いのです*1。
もっと映画を見続ければなにか変わるのでしょうか。そう信じたいです。別に評価に共感できなくても理解できさえすれば……。
本作も私にとってのその類の作品と感じました。完成度の高さはわかるのですが、なんと申しますか、全体的に味わいがヘンな映画ではないでしょうか。この作品を鑑賞することで何を受け取るのが正解なのだろう。いえ、鑑賞に正解などないのもわかるのですが、少し悩んでしまった一作でございます。
映画『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』の感想です。
簡単あらすじ
※上記は、筆者チネローテル大家によるオリジナルのあらすじです※
Filmarks短評
映画『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』のレビューを書きました! https://t.co/j16TTEbZ3T #Filmarks #映画
— チネローテル大家 (@cinerotel) 2026年3月22日
あのホラー映画に出てきそうな家何だったんですか?
評価:★★★(星3)
※全年齢表現ではあるがそこそこ性描写あり
ネタバレなし感想
■これって何映画?
予告やサブタイトルからてっきりスポ根系の映画なのかなと思ったのですが、蓋を開けてみれば素行最悪男の金工面映画でした。何ですかこれは?
その、面白い映画だとは思うのですが、面白さの方向性が事前に得られると期待していたものと全然違っていたのでだいぶ面食らってしまいましたね。ロクデナシながらも卓球だけはピカイチの男が卓球でのし上がる話かと思いきや全然そういう感じではなかったので頭を抱えてしまいました。むしろ馬鹿映画の部類な気がする。
そのくせ卓球の試合のシーンが凄くしっかりしているので本当によくわからない。卓球を……もっとその卓球を見せてくれよ!! あと卓球にまつわる話とかさあ! どうして主人公のロクデナシさをずっと見ていなきゃいけないんだ!? 行き着くところまでぶっ飛んでいれば笑ってみていられるという説もあるのですが、これはなんというかやりすぎというか言葉を選ばず言えばあまりにアホが過ぎておられますといいますか。こんなヤツは出場停止にして当然だよ。
自分の手でチャンスを逃しているので全体的に自業自得過ぎる。それはそれとして卓球シーンどうやって撮影しているんだコレ。スゴすぎる。感情が迷子になります。へんになりそう。
■ティモシー・シャラメ氏こういう方向性もいけるのか
私にとってのティモシー・シャラメ氏は『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』でおそらくちびっこたちの初恋泥棒であろう「学はないけど超絶優しくメルヘンでチョコへの愛に溢れた青年」ウォンカ氏を演じられていた方でございましたので、初報を知って衝撃を受けました。
ただこのマーティというキャラクターはツラの良さがないと成り立ちませんのでハマり役であったことは確かです。正直彼のやらかす諸々はほぼ見ていられませんでしたが、見ていられないくらいの嫌悪感を抱くというのもまさしくシャラメ氏の演技が素晴らしかったということに他なりません。本当に凄い。
映画鑑賞中は、当たり前ではございますがウォンカ氏と全くの別人でございましたからね。うっかり幻視してしまったらショックで寝込んで起き上がれなくなるところでございましたから良かった。見事……。
ネタバレあり感想
ご覧になる際はご注意ください。
あの家何?
これだけは言わせていただきたいのですが、犬が保護された謎の家、本当に何ですか?
あそこだけ急に『悪魔のいけにえ』めいていませんか!?
ですが私、あの場面……超好き!! でございます。むしろあの方向性で一本ご用意いただけませんか? 意味わからなさすぎたのですが謎に緊迫感のある銃撃戦良かったです。それはそれとして本当になんなんだよ。わけがわかりませんよ。
マーティの計画性のなさ
避妊して
妊婦を憐憫の情を誘うためにさんざん危険にさらして利用しておいて、でも無事に産まれてくれて最後は涙するってアホでございますか?
創作とはいえこのあたりの行動はかなりキツかったですね。妊娠八ヶ月の女性をあんなふうに連れ回してストレスフルな状況に追い込むの絶対NGでございますよ。本当に創作で良かったけれども。そもそもマーティに協力する女性も女性なんですけれどもね。安静にしていてくれよ!
マーティ、見える範囲では計画性が微妙にあるのに見えなくなると何もわからなくなるのダメ過ぎる。今を生きすぎておる。セレブの女優に手を出したのも、うまいことやればヒモになれるかもなぁみたいな思考があったのだろうと思うのですよ。そこは微妙な計画性といえるのですが。しかしまああの女優もどうしてこんなマーティに入れ込んで……ダメな男ほど可愛く見えてしまうものでございますか?
なので個人的にはマーティが迎えた結末は生ぬるいなあと感じました。やってきたことが本当にロクでもないのだから、もっとロクでもないオチに飲み込まれてほしかった。突き抜けたヤツなのだから、突き抜けて終わってほしかった。何凡人みたいなオチで満足しておるのでございますか。彼、卓球の腕はよくても、卓球に対するリスペクトとかはなさそうですしねえ(詐欺に使ってしまっているし)。最後の最後で相手を尊重する気持ちが芽生えていたのは良かったですけれども。なんでマーティが勝てたのかはさっぱり分かりませんが……相手がイベントで疲れていたからかな……フェアじゃないなあ……。
垣間見える悪趣味さについて
マーティに対して行われた卓球ラケットによる折檻とか、敗北した相手は豚とキスするとか、この絶妙な悪趣味感ってなんなんでございましょうか。その、スポーツそのものの品格を下げかねないような付随物。
ただの監督の作風でございますか? それとも実際にこのような事例があったのだろうか。時代的にはなくはないのかとも思うのですが、ううむ。
仮に時代表現だとするのであれば、今はよい時代になったものですね。
映画『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』の感想でした。
シンプルに合わない映画でございました。表現が……。でも世間的にはかなり絶賛されているようで、映像技術や役者の演技まわりなどでは分からなくもないのですが、どうにもあまり刺さらず。私の心にはまだちびっこが住んでいて、いつまでも色々なものにわがままを言い続けるのでしょうね。

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*1:もちろん『パラサイト 半地下の家族』や『シェイプ・オブ・ウォーター』など、好きな映画が作品賞を受賞することもあるのですが……