チネローテル 映画感想ブログ

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【映画感想】パリに咲くエトワール(ネタバレ有)_堅実で真っ直ぐなイマドキ珍しいアニメ映画

皆さんは、どのようなアニメ作品がお好きですか?

私は割と幅広く鑑賞するのですが、本格的にアニメが好きになったのはやはり深夜帯の作品を鑑賞してからかと思われます。ノイタミナと呼ばれる枠の作品、例えば『東のエデン』『ギルティクラウン』『UN-GO』『甲鉄城のカバネリ』などを見ておりましたし、他には月1アニメの『刀語』や、それこそ以前映画版の感想を書いた『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズも見ておりました。

そういう、かつて深夜アニメを見てきた層が映画アニメーション作品を支える重要な一部になっているのだろうなと私は考えています。もちろん『鬼滅の刃』みたいに、一般層にも大浸透した超絶外れ値のモンスター作品も時折あるのですがそれはさておき。

本作も、一見ジブリ作品的な絵柄でありつつもいわば「アニオタ」向きの作品なのかなと思いきや、内容は絵柄のまま、割と正統派で驚きました。イマドキこういうタイプのアニメーション作品、劇場用に作れるのか……。

 

映画『パリに咲くエトワール』の感想です。

簡単あらすじ

20世紀初頭の横浜は、文明開化の影響で西洋文化の流入が起きていた。フランス・パリのバレエ団によるパフォーマンスを見た少女フジコは、その華麗さと美しさに魅了されていた。少し離れた席で同じく舞台に釘付けになる少女・千鶴がおり、二人はほんの少し関わりを持つことに。それから5年経ち、フジコは絵の勉強をするためにパリで生活していた。叔父の画廊を手伝いながら暮らす彼女だが、あるトラブルに巻き込まれる。そこを助けてくれたのは、日本にいるはずの千鶴で……。

※上記は、筆者チネローテル大家によるオリジナルのあらすじです※

Filmarks短評

評価:★★★★(星4)

 

ネタバレなし感想

■清々しいまでに王道

ジブリの有名作『魔女の宅急便』のキャラクターデザインの方が本作を担当されているとのことで、絵柄がとても優しく万人受けしやすい印象ですよね。そしてこの絵柄の印象から大きく外れることない物語が構成されています。よく言えば観やすいものの、悪く言えば少々古い印象のある方向性です。

個人的には結構好きではありましたが、キャッチーではないのですよね。キャラクターの描写もしっかりされてはいるものの、凄く深入りする感じてはございませんし。フジコと千鶴の関係性も、いわゆるシスターフッドなどに踏み込むような感じではなく、本当にこう、いい友達止まりというか……。

そう、オタク向けではないのです! この作品は万人向け! 戦争の描写などは若干あるため、ちょっと今の時勢と重なることがあって微妙に辛くなるところはありましたが(それは制作時はおそらく関係ない話だったはずなので置いておくとして)、まあ観やすい。とはいえ暗い場面もなくはないため、子供向けと言うよりはちょい大人向けなのかも。
お客さんを呼ぶような入場者特典などもありませんしね。

ただ一つ気になったのが、キャラクターの表情が全体的に硬いのですよね。人形っぽいというかなんというか。勿体ない印象です。

 

■作画は悪くはないが……

本作の作画は一定水準以上ではあります。通常の絵柄が崩れることはありませんし、動かす箇所はちゃんと動かしている。

ただその一方で、本作の見せ場であるはずのとあるバレエのシーンが結構チープに見えてしまうところがありまして。CGを使っているようなのですが、見せたいキャラクター以外の顔が多分同じ顔なのですよね(見間違いだったら申し訳ございません)。演出なのかと思ったのですが、そういう演出にする意図もわからなかったのでシンプル怖かったです。同じ顔したマネキンが踊っている……。

 

ネタバレあり感想

注意
ここから先は、映画『パリに咲くエトワール』のネタバレが含まれます。
ご覧になる際はご注意ください。

 

 

 

天才と凡人の話かと思ったが

千鶴とフジコの対比はそういう話なのかなと思いきや、そうでもなかった!

千鶴がバレエで天才的な才能を発揮していく一方でフジコが絵を描けなくなっていくという対比はしんどくもあり好きな場面でもあり。

フジコのキャラいいですよね。一見底抜けに明るくて周囲を巻き込むエネルギッシュな少女なのに、裏では結構しんどい場面があってそのことを友達のために隠しているフシがある。この対比はもっと強く押し出してもよかったんですが、フジコが出来過ぎた女の子なので言うほどしんどくなりきりはしないのですよねぇ。優しすぎるよフジコ。
千鶴もいい子ですよね。努力を惜しまず、薙刀とバレエの間で揺れ動きながらも自分のやりたいことを選ぶ彼女はまぶしい。しかしバレエの練習をしながら薙刀教室も続けるとかだいぶ超人だな。まあ走っている電車から降りても無傷だし超人か……。バレエガチ勢の方に怒られませんかこれ? 創作だし許される範囲なのか?

これはまあ、千鶴は大成するけどフジコはダメになっちゃうパターンかなぁ……
と思っていたら千鶴のバレエに感化されてフジコが突如才能を開花させます。ええ!?

このあたりはだいぶご都合主義過ぎると思ったのですが、まあいいか……ともなりました。これくらいのご都合主義は許されてもいいくらいのバイタリティをフジコは持っているし皆のために発揮しているし。というか言い出したらフジコの叔父がまあまあデウス・エクス・マキナだし……。まあまあまあ、そういうものということで。

ラストの絵は結構好きでした。「巴里に咲くエトワール」。

 

真面目過ぎるのかも

女性の活躍が厳しい世界で、頑張る少女の物語。

なんですかね、その、朝ドラっぽいな……

なんというかもっとぶっ飛ぶ部分はぶっ飛んでもいいような。この内容でアニメーション映画にカチコミ決めるのだとしたらもう少し作画はキャッチーにしたほうがいいような気もいたしますし。む、むずかしい! 面白かったのですがね!

 

 

 

映画『パリに咲くエトワール』の感想でした。

主題歌はかなり好きです。

www.youtube.com

でも考えたら主題歌からしても万人向け感ありますね。ただ普段アニメ見ない方が、本作の予告などを見て、これは映画館に観に行きたいぜ~って思われるのかが分からない。むつかしい……。オリジナルアニメ界隈、盛り上がってほしい気持ちはあるのですが。

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手前に映り込んでいるのは、購入した烏龍茶のカップです。

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