本年も残すところあと2日となりました。怖!
2025年ラストに鑑賞する映画を何にしようか悩んでいたのですが、結局いつもと変わらずノリと勢いでラインナップを決定しまして、結果としてこちらが2025年の映画鑑賞ラストを〆る一作となりました。
一体どんな内容だったかというと――圧倒的・混沌! 他作品の追従を許さないぶっちぎりのカオス作、ここまでやっていいの!? と言いたくなる、創作作品の自由度(?)の可能性を見せてもらいました。
映画「ロマンティック・キラー」の感想です。
簡単あらすじ
※上記は、筆者チネローテル大家によるオリジナルのあらすじです※
Filmarks短評
映画『ロマンティック・キラー』のレビューを書きました! https://t.co/I8PQTKfv9P #Filmarks #映画
— チネローテル大家 (@cinerotel) 2025年12月27日
一種のホラー作品かもしれません
独特の味ですがなかなか楽しめました
評価:★★★★(星4)
ネタバレなし感想
■漫画原作の実写映画という“カオス”
本作の原作は漫画です。漫画原作の実写化において必ず現れる壁は、二次元なら許されるけど三次元だと許されない系です。例えば原作のキャラの髪色やゴテゴテ服装をそのまま三次元にもってきてしまうと仮装大会になってしまう……など、そういうアレでございます。
本作においても間違いなくその壁は存在していて、正直この“漫画っぽい雰囲気”に乗り切れるかどうかで楽しめるかどうかが大きく左右されます。しかも本作のジャンルはギャグ+パロディ(+若干のラブコメ感)という実写化難度の高さ。ギャグもパロディもかなり多いせいで(後述)実写作品では飲み込むのがかなり厳しい世界観そのままのお味で提供されております。
いわばサムいノリ、痛々しいノリはかなり強く、ダメな方はダメ! となる映画なのでそこはご注意いただくとよろしいかと。原作もこんなにパロディだらけなんですか? と思って軽く調べたらそのようでした。自由だなあ……。
■いわゆるアイドル映画における、お祭り的な面白さ
今作は「なにわ男子」をはじめとする、アイドルグループの方々が多く出演されている、いわばアイドル映画とも呼べる作品です。私、アイドルにはてんで知見がなくアイドル映画なるものも今まで全く観たことがなかったのですが、なんというかお祭り感があってなかなかおもしろかったです。この人をキラキラに撮ろう! この人をこうやってイケイケに映そう! みたいな、そういう配慮のされた映像が多いのも特徴的だなと。邦画は元々そのような傾向が高めではありますが。
今はこういうタイプの見目麗しい外見の方々が世間に受け入れられているんだなあ、という流行の把握もできて興味深かったです。とはいえ本作は色々なタイプの格好良い男性俳優陣をキャスティングされてはいましたが。
スタッフロールを観る限りだと異なるグループの方が様々ご参加されていたので本当にお祭りだった。なんですかね、アイドルのアベンジャーズ的な……仮面ライダーのかつての長過ぎタイトル激アツ集合映画*1みたいな……いやむしろシンプルに年末のカウントダウンライブか……でもあれは事務所跨がないから違うか……あ、アイドルのスマブラが一番適切かもしれません。杏子を巡って乱闘してるし。ごめん何の話?
すごく個人的な話をしてしまうと、昔観ていた仮面ライダーに出演されていた、竹財輝之助氏を個人的に久々にお見かけして少しテンションが上がりました。知っている方が1-2名だった(アイドルに疎すぎる)私でさえ「おっ」と思ったので、出演される方々がお好きな方にとっては天国みたいな映画なのでは。アイドル映画が一斉を風靡していたのもわかる気がします。
ネタバレあり感想
ご覧になる際はご注意ください。
パロディってここまで許されるんだ
今作で個人的に最も度肝を抜かれたのが、パロディの豊富さです。というかこの映画の7割くらいはパロディと恋愛漫画あるあるシチュエーションで構成されていた気もしますね。
謎にバスが大事故を起こす周辺の、速度を落とすと爆発する下りは名作映画「スピード」から。登場人物の一人が童子切安綱を名乗っていたり、歴史修正主義者(原作ママの敵名を言っていたような気がする)のワードが出ていたりすることから明らか過ぎる「刀剣乱舞」(尚、原作ゲームに童子切安綱は実装済*2ですが当然デザインは全く違います。ご安心ください)。あとは野球部の彼に関しては「世界の中心で、愛をさけぶ」とか「タッチ」とかですかね……?
そして時空を超えてやってくる杏子ラブ勢の嵐の中でも様々なパロディが。かつての伝説的ドラマ「ラブジェネレーション」(古めのチョイスなのが面白い。時空を超えてリリがいろんな相手を呼んでいるゆえか)、わかりやすすぎる「名探偵コナン」に劇伴まで寄せていくストロングスタイルの「君の名は。」(微妙な中の人ネタのようななにかに笑う。元ネタのヒロインを演じられていたのはお姉さんの方ですが)に「君の肝臓を食べたい」、「竜とそばかすの姫」、終盤の見せ場(見せ場……?)っぽい場面でがっつり演出された「千と千尋の神隠し」。
あとはパロディというわけではないですが、ゲーム作品が何本か名前・映像ありで登場していたのも、いいんだそういうの……になっていました。「地球防衛軍6(EDF6)」に「グランツーリスモ」、「妖怪ウォッチ」。妖怪ウォッチは幼少期の思い出ゲームということでともかく、EDF6とグランツーリスモというチョイスがなかなかイイ。そりゃあ刀剣乱舞はやっていないでしょうね*3……。
既存恋愛モノへの「それってどうなん?」
パロディとカオスにまみれた本作ですが、それはそれとして「女子高生は恋愛してナンボ」「特定の相手を選んで好意を伝える、選ばなかった相手のことは気にしない」みたいな恋愛作品あるあるへのアンチテーゼを伝えてくる部分は面白いなあと感じました。今風ですよね。皆のことが好きなら皆に好きって伝えればいいじゃん! という、綺麗事かもですけどある意味美しい、そしてある意味残酷な選択。この世界では皆優しい上に杏子のことが好きで、かつ恋愛関係に発展しないからこそ問題なく物語が終幕しましたが、この価値観はなかなかに相互で同意することは難しい。けれど、そういうのもあっていいんじゃない? というのは一つの答えの提示としてよいのではと感じました。
恋愛観、転じて受け入れられる恋愛系作品ジャンル内容というのは時代によって変化するものですなあとしみじみ。大きなところで言えばかつては相当数見かけた俺様系、あんまり見かけなくなりましたもんね。作中でも「ないわ!」みたいな扱いされてた気もしますし……。
青春シーンというか友情シーンみたいなものに結構尺をあてているのも、そういう愛もあるよってことなのかもしれません。友人愛というかなんというか。竹林!
不条理ホラー映画の味がする
この作品、私は半分くらい不条理ホラー作品として楽しんでいたところがありまして。まず杏子が謎の魔法使いの勝手な都合で大好きなものを取り上げられるという時点でだいぶ恐ろしいです。そもそもこの展開が不快感すごすぎる。恋愛したらそんなもの要らなくなるという決めつけも最悪ですし、その中に生命維持のため飼い主の世話が必要である猫が含まれているのも嫌過ぎる……。もちろんクマムシの姿をした猫を杏子はしっかり世話していたのでしょうけれども。この結果、杏子の恋を応援しない理由ができてしまうのもいいのか? 猫は大事。チョコも大事。ゲームも大事。趣味を奪われた人間の末路を知らないのか? 虚無やぞ(※個人的な見解です)。
で、そこから時空を超えて杏子のことが好きな人々が数十人レベル(下手したら百人越え?)で押し寄せてきて杏子を捕まえようとします。まるでゾンビモノ映画で感染していない主人公を追い回すゾンビたちのように! 怖すぎる!! 杏子も杏子ですがなぜか肉弾戦アクションにもつれ込みますし。殴り合うな!! 怖いよ!!! 杏子は別に彼らのこと知らないですし好きでもなんでもないですからね(見た目はカッコいいと言及してはいましたが)。知らないし好きでもない相手に大人数で追いかけられるの、恐怖以外の何物でもないのでは。この流れで男性恐怖症にならない杏子が凄いよ。
そのあとメインキャラの男性をストーカーする女性が登場してヒトコワの様相を見せてくるのはさすがに顔引きつりましたが。超常現象系だけじゃなくてそっちの要素もあるんだ。コワ~……。
そして最後は杏子自身含め、杏子と関わった男性陣すべての杏子(杏子は男性陣)にまつわる記憶が消されるという。やっぱりホラーじゃないか。これ幼馴染の記憶も消えているのだとしたら本当にホラーでしかない。リリは杏子にいつから干渉していたというのだ……?
なのでリリのことは最後まで好きになれませんでしたね。怖い。話が通じない。宇宙人だからか。滅びたほうが人間のためではないのか。というかその時空を歪められるレベルの魔法パワーがあるならなんでもできるんじゃないのか。少子化待ったナシの日本をエネルギー収集対象にするんじゃないよ。意図がわからなくて怖いよ~。
映画「ロマンティック・キラー」の感想でした。
明日の記事は2025年の総まとめを予定しています! ブログが始まってまだちょっとではありますが、映画はそこそこ観られましたので、その中から各ジャンルのベストを挙げていこうと思います。よろしければお付き合いください。
それでは、また明日!