チネローテル 映画感想ブログ

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【映画感想】シャドウズ・エッジ(ネタバレ有)_アクションで十分お釣りはくるけれど、惜しさもアリなエンタメ作

目が覚めたら、運動会の真っ只中でした。

周囲では赤組がんばれ、青組がんばれの歓声が飛び交っています。私はあくまで観客のようですが、このまま呆然としていても仕方がありません。折角なので声援を送る人々に混ざることにしました。しかしどちらの組を応援すればよいのでしょう。少し考えた私は、メンバーの動きや戦略にグッときた赤組を応援することにしました。イカすぞ赤組! いけいけ赤組!

しかし、本来応援すべきはどうやら白組の方だったようで……。

 

映画「シャドウズ・エッジ」の感想です。

簡単あらすじ

マカオの地を暗躍する、正体不明のサイバー集団。奴らに立ち向かうのは様々な逸話を残す伝説の警察・黄徳忠。黄徳忠は自らの元相棒の娘、何秋果をはじめとした若手潜入チームを結成しサイバー集団の正体を暴くべく任務を遂行する!

※上記は、筆者チネローテル大家によるオリジナルのあらすじです※

Filmarks短評

評価:★★★★(星4)
※アクション映画ゆえの暴力描写はありますが、そこまで過激ではありません

 

ネタバレなし感想

■あれが、かのジャッキー・チェン!

本格的に映画鑑賞を始めたのは本年からなのもあり、お恥ずかしながら初めて銀幕のジャッキー・チェンを観ました。お名前は認識していましたし、何らかの資料映像でチラリとスタントなしのアクションをされている様を見てはいましたが。

やや、音に聞いてはいましたが流石のアクション。拳だけでなく道具も使う。空間だって活かしちゃう。飽きさせない、幅の広いアクションはかなり見応えがありますね。さすが銀幕の大スターです。やはりベテランの風格と貫禄は見事なものです。

もちろん、主人公側だけではなく敵側のアクションも良かったです。キレがあって、真似したくなる(できはしないのですが)格好良さといいますか。知識がないので分からないのですが、型みたいなのを扱っている方もいたような?

本年頭に鑑賞した「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」でも思いましたが、メリハリあり、迫力あり(時にちょっぴり痛い)なアクションはやはり中国・香港映画、飛び抜けている。ただそれを形作るために重要なスタントについては、こちらも本年鑑賞した「スタントマン 武替道」で描かれていた通り相当過酷なものなのでしょうが……。すごいなぁ。

 

■年の離れた師弟モノ、やはりイイ

黄徳忠と何秋果の関係性、間違いなく見どころと言っていいでしょう。若手がベテランに触発されて実力を発揮していく展開は王道ながらグッときます。継承というのはいつだって心に響くいい文化です。バディものっぽさもあってまたイイ。男女のバディという概念が好物の自分としては更に嬉しいところ。

 

ネタバレあり感想

注意
ここから先は、映画「シャドウズ・エッジ」のネタバレが含まれます。
ご覧になる際はご注意ください。

 

 

 

敵の方が格好良くない!?

そうなんですよ、これがいいところでもあり悪いところでもあり……。総合的に、圧倒的に敵サイドのほうが、魅力的でカッコよく見えちゃったんです。

これはですね、まず冒頭シーンに大きな要因があります。私は鑑賞の前に一切の情報を仕入れないため、この映画が正義側の視点なのか悪側の視点なのか分からないまま鑑賞を開始しています。そのため冒頭の金庫破りをやってのける謎の青年(アクションもできる!)軍団と、妙齢のダンディな男性に、作戦を指示するこれまた怪しげな青年というチームにすっかり魅入られてしまいました。多少なりともビジュアルイメージの良さも関係していることは否めませんが……何よりチームとして仲が良さそうだったり完成していたりするのが既に魅力的で。

更に、更にですよ。この敵側のサイバー集団、まるでマフィアのファミリーのような関係性といいますか。ドンが父親役を請け負い、血の繋がらない息子たちは元々身寄りのない子どもたち……という掘り下げもばっちり行われます。キャラごとに当然描写量の差はありますが非常に魅力的に映りました。内輪揉めも起きてはしまいますが、それもまた愛憎あふるるといいますか。このあたりがすごい好きで……なんだか色々ずるいじゃないですか。父親からのプレッシャーから逃れるためか、あるいは自分のほうがうまくできるという自負故か父親を見返そうとする弟と彼のために犠牲になろうとする兄とか、こんなん好きに決まっているじゃないですか。

で、挙げ句このドンである傅隆生。このお方がもう凄まじい。生への執着がすんごいんです。もうとんでもなくしぶとい。そしてあの人間離れしたナイフ捌き。もうホラー映画のラスボスクラス幽霊もドン引きするレベルのしぶとさですよ。終盤からは変な笑いが出ましたね。けれどそんなしぶとさもありつつ、知的さも持ち合わせちゃう。ちょっとした小芝居だって打てちゃう。黄徳忠と何秋果、傅隆生の食事会のシーンは本作でも屈指の好きなところですね。魅力的過ぎやしませんか。

名作に登場する悪役は魅力的であればあるほどいい、というのはそのとおりなのですが、今作はいかんせん味方側の掘り下げが薄いんです。黄徳忠と何秋果に関してはそこそこ話がありますが、それでも弱い。味方チームは更に弱い! ほぼ掘り下げられないキャラクターも大勢います。誰だっけ君たち……。何秋果に想いを寄せる同チームの青年は、なんで彼女に想いを寄せてるのか分からないまま妙にぬるりと死んでしまいましたし(てっきり「死んだ」と騙して実は死んでなかった! と敵を翻弄する展開かと思いきや本当に亡くなっていて困惑しました)。掘り下げよりアクションに力を入れたのかもしれませんが、ううむ……バランスがちょっぴり変かなぁと感じました。

 

逃亡、逃亡、逃亡

これは前述のしぶとさの関係もあるんですが、とにかく味方側が敵にひたすら翻弄され続けます。警察、幾らなんでも犠牲者出しすぎじゃありませんか!? 最初の、AIに頼ってハッキングに気づけずに敵を取り逃すのは可愛いもんです。中盤以降なんて基地に潜入されるわ、養護施設の大爆破で犠牲は出すわ捕まえた犯人は取り逃すわ……この手の作品で警察の能力が著しくマイナス補正喰らうのは仕方がないにしても、あまりにも役立たず度合いが半端ないといいますか。

ある意味リアリティといえばそれまでなんでしょうけど、敵のしぶとさや、時折見られる謎のCG丸出し演出はリアリティなかったですが……。冒頭のパラシュートやらスーパー大ジャンプやらの雑コラ感はなんだったんですアレ?

 

若干の半端さ

エンタメとしては十分面白いですし、アクションシーンの見応えは抜群なんですが、展開のバランスがなんだかこう、半端というか回りくどいというか。もうちょっとスマートにできたんじゃないかなぁと感じてしまうところがあって勿体なかったです。あと謎の画面エフェクト(エッジやらノイズやら)は鬱陶しさの方が目立ちましたね。ハッキング描写かもですがそんなザリザリ入れなくても。

敵サイドの話をメインにした、悪側の映画にしちゃった方がいっそ良かったんじゃ……と思ってしまう奇妙な映画でした。いえ、ちゃんと面白いんですけどね! どうにも惜しいんです!

 

映画「シャドウズ・エッジ」の感想でした。

この映画、クロックワークス配給なんですよね。先程話に挙げました「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」もクロックワークス配給映画でして。で、その、「トワウォ」に関してはあまりに私にぶっ刺さりすぎまして劇場で9回鑑賞しておりまして。

要するに何を申し上げたいかといいますと、あのクロックワークス配給を示す冒頭のロゴが出るシーンの「ジュァアアアアァアアアアチャンチャチャン……チュワワ~~ン…!」というSEだけでテンションがこう、ぐぐっとUPしてしまう病に罹患してしまったことをしみじみ実感いたしましたという話でした。

それで? この病いつ治るんですか?

 

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