皆さんは、若干寂れたホテルのディナーショーなど行かれた経験はございますか?
私はあります。生まれが観光地の近くにありまして、ですがその観光地も今や落ち目、かつては多数存在し賑わっていたホテルや旅館は潰れたり買収されたりする中なんとか大手だけがギリギリ生き残っている……そんな状況で、人を集めるための苦肉の策がディナーショーでした。ブームの過ぎた芸人や、名も知らない大道芸人らが一芸を披露する場です。私は親の保険だったか何かの特典で、その手のショーを観ることがございました。そこで初めて、「歌真似(あるいはモノマネ)」をする人を見たのです。
本作は、地元の店や祭りで歌真似をするしかなかった男が、ある女性との出会いで運命を変えるヒューマンドラマです。これが実話って、本当なんですか?
映画『ソング・サング・ブルー』の感想です。
簡単あらすじ
※上記は、筆者チネローテル大家によるオリジナルのあらすじです※
Filmarks短評
映画『ソング・サング・ブルー』のレビューを書きました! https://t.co/xIjrYM44wS #Filmarks #映画
— チネローテル大家 (@cinerotel) 2026年4月18日
いい映画でした
評価:★★★★(星4)
ネタバレなし感想
■“映画”らしい、映画だった
ふらっと立ち寄った映画館で、なんとなく鑑賞したら「いい映画じゃん」とちょっと涙する……みたいな経験ができそうな、王道エンタメな映画でございました。難しいこととか小技とかそういうものはなく、ただただドラマ! 音楽! 遅れてきた青春を楽しめ! みたいな、沁みる感じのシンプルに良い映画だったな~と。
私はモデルのライトニング&サンダーも存じ上げませんし、洋楽にも疎いものですからニール・ダイアモンド氏も存じ上げませんでした。でも本作を観た後はついつい口ずさんじゃいますよね。スイート・キャロライン。パッパッパー
マイクに怒られるか? スーレイモンも聞くか?
映画によって知らない文化や歴史、歌を知れるのっていいなぁとつくづく感じました。機会さえあれば知りたいことは世の中にたくさん溢れておりますからね。
こ、これがトリビュートバンドの一つの正しい在り方か!
■決して明るいだけの映画ではない
本作は成功と挫折と……の物語なのでずっと明るいわけではございません。というかまあまあ理不尽な状況に放り込まれますからね。その場面も決して短いわけではないので多少はしんどい思いをさせられます。ですがそれも大事なこと。
そもそも本作の冒頭が“断酒会”から始まっているのがね。かつての失敗を悔い前に進むための集まりがあり、これが結構本作における重要なポイントなのですよね。失敗を恐れず歩き出したくとも、一度失敗を知っているから。そんな人々らの物語でもある。
皆、もう今すでにがんばっているんだ。それはとてもステキなことなんだ。
ネタバレあり感想
ご覧になる際はご注意ください。
お祓い行ったほうが良くないか?
あの道には車を暴走させる呪いがかかっているのではないのか!?
本作の大きな悲劇である、暴走車によるクレアの事故。冒頭からマイクとクレアが出会ってすぐさま意気投合し公私ともにかなりトントン拍子で成功していくので嫌な予感はしていたのですが、ドン下げポイントがかなり強烈でギョっとしてしまいました。
しかももう一度車が暴走して家に突っ込んできていますからね。まあそちらは大事にはならなかった上にクレアがのちに自らの武勇伝的なノリで語っていますけども、怖すぎるだろ。お祓い行ったほうがいいって。これ実話なんですか?(再確認)
そしてニール・ダイアモンドに逢えるという日にマイクが亡くなって……これ実話なんですか本当に!?(再々確認)あまりにも人生そんなうまくいかないですねえ過ぎる。あんまりだ。
それでも光が見えたのだから、ということなのだろうなあ。最後、クレアが歌っていた歌は沁みました。また皆同じ場所を通るのだ。
断酒会コミュニティ
ネタバレなし項目にも記載したとおりですが、このコミュニティがマイクにとっても映画の要素としても重要なのがいいなあと。クレアも、少々形は違えど精神病院での自らの経験を語る会として類似体験をした人とのコミュニティの重要性を知っていくわけですし。この映画、そういう……分かりやすく「これは重要なんだな」を伝えるのが上手だなあと。
自分の周囲ではアルコール依存症の人はおらず、ドラマやドキュメンタリー、ニュース番組などでしか断酒会的なものを知らなかったのですが、やはり日本でもあるのですね。
やっぱり自分の言葉で、誰かに語るって大事なことなんだな。
そういえば断酒会とは少し違う話ですが、クレアの娘が妊娠して出産して養子を希望する人に譲渡されるスピード感凄くて驚きました。ここは養子縁組まわりが進んでいるお国柄を感じる。これもコミュニティといえばコミュニティか。
コーヒーは苦いだけではない
クレアの息子とマイクが最初会った時に拒否していたコーヒーを、マイクが亡くなった後に彼が自ら淹れているシーンがすごい好きでした。
コーヒーは苦いだけではないし、憂鬱な歌だって哀しいだけの歌ってわけではないのだよなあ。
映画『ソング・サング・ブルー』の感想でした。
主演のヒュー・ジャックマン氏、『グレイテスト・ショーマン』で拝見していたのですが今回はちゃんと人間味のある役柄で良かったです。『グレイテスト・ショーマン』の彼はちょっとあの……人の心がないから……ミュージカルシーンは本当に素晴らしいのですが。『レ・ミゼラブル』は未鑑賞なのでいつか観たい。午前十時の映画祭でラインナップに入っていた気もするので観られれば観たいですね。
映画が足りない……新学期……新年度の苦しみ……。
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