私が映画館での映画鑑賞を本格的に始めたのは2025年のことです。
それ以前は各種映像系サブスクでなんとなく惹かれた映画をゆるりと観たり、オススメされた映画を観に行ったりするくらいだったものですから、2025年より前の映画のことはほとんど詳しくないですし、監督やキャストのことも本当に限られた方しか把握しておりません。
そんな自分でも知っていた監督の中の一人がデヴィット・リンチ氏です。個人的には、未鑑賞ではありますが「エレファント・マン」の印象がありますね。また現在4Kリバイバル上映中の「インランド・エンパイア」なども有名作でしょうか(こちらも鑑賞したかったのですが時間が合わず断念)。
スリラーであったりホラーであったり、カルト映画の帝王なんて呼ばれている話も耳にします。ですが今回、予定なくなんとな~くチョイスした本作は、到底カルト映画やらシュルレアリスムなんてものとは程遠い、ヒーリングミュージックならぬヒーリングムービーでして……。
映画「ストレイト・ストーリー」の感想です。
簡単あらすじ
※上記は、筆者チネローテル大家によるオリジナルのあらすじです※
Filmarks短評
映画『ストレイト・ストーリー 4Kリマスター版』のレビューを書きました! https://t.co/xNT3bwazQX #Filmarks #映画
— チネローテル大家 (@cinerotel) 2026年1月18日
ラストシーンが素晴らしい
評価:★★★★(星4)
ネタバレなし感想
■眠りを誘うほどの心地よい映画
本作鑑賞中、とんでもない睡魔に幾度となく襲われました。それはこの作品がつまらないということではなく、非常に心地が良すぎるのです。穏やかな景色、不思議な距離感の人間ドラマ、耳障りの良い音楽、頑固な老人のロードムービー……。
睡魔と戦いながらの鑑賞、少々しんどかったです。寝不足気味なのも良くなかったかも。万全の体調で鑑賞することをオススメいたします。
ネタバレあり感想
ご覧になる際はご注意ください。
平和で優しいロードムービー
本作、良くも悪くも超平和です。
もちろんアルヴィンが旅の途中でトラクターを壊してしまい立ち往生するであったり、トラクターが大暴走して故障し見知らぬ人の庭に止めてもらうであったりなどのイベントは発生するのですが、何があってもアルヴィンは立ち止まることなく走り続けるわけです。ひたすら真っすぐ、ゆえのストレイト・ストーリーということなのでしょう。
捻りはなく、とても素直な作品です。今はあまり観ない形式かも。
スタッフクレジットにて、スペシャルサンクス的な形でアルヴィン・ストレイトの名前があり首を傾げたのですが、これ新聞に掲載された実際の話をもとにしているのですね。事実に忠実なのもあって映画的な起伏は少なめなのかもしれない。
ラストシーンの話
本作の好きなシーンは挙げると色々あります。それこそショットガン(多分)で壊れたトラクターをぶち抜くシーンとか、娘が電話のコードを伸ばしまくってメモを取りに行くシーンとか、ついに兄の家が近くなったところで超久々にビールを頼むシーンとか(飲酒運転じゃないのか?)。繊細な人間模様が描かれていると感じました。
ですが、何より、ラストシーンです。
ラストシーンを観るまでは、私はこの映画は「いい映画なのはわかるけど、私にはあまり合わなかったかもな」という印象だったのです。ですがあのラストシーンで、すっかり心を奪われました。
久しぶりに会ったアルヴィンとライル。どのような喧嘩をして仲違いしたのかはわかりません。会いに行くと知らせていたかどうかも不明で(もしかしたら娘が伝えている可能性はあるがアルヴィンの性格の理解があることと、到着時期がわからないため何も言っていないのでは、と私は想定)、突然の訪問なのにも関わらずライルは平然としている。言葉らしい言葉も交わしません。
ただ、ふとライルがトラクターに気づいて、あれに乗って来たのかと尋ねる。アルヴィンは素直に頷く。二人は黙ったまま何も言わない。が、どちらともなく空を見上げる。
このシーンが良すぎてですね……。
これは実際に観ていただくほうが早いと思います。二人の表情が本当に素晴らしい。言葉はいらないというのはこういうことかと。映画とは、こうあるべきなのだと深く感動いたしました。
言葉での直接的な説明ではなく情景での察させるタイプの説明、大好き! このラストシーンを観るために映画を観る意義がある、と感じました。
カルト映画の監督……?
本当にそうなんですか? カルト映画の帝王? カルト映画って「エル・トポ」とか「サンタ・サングレ 聖なる血」とか「ファイト・クラブ」みたいな作品のことをいうのですよね(挙げた映画ぜんぶ大好き!)
いやいやまさか。きっと、ハートウォーミングな作品をたくさん撮られているのではないですか? こんなに人間の繊細な描写を撮れる監督ですもの、何かの間違いではございませんか?
え? なんですか?
繊細な描写が撮れるからこそカルト足り得るスリラーやホラーが撮れる……?
それは……
そうかも……。
映画「ストレイト・ストーリー」の感想でした。
ぜひ、デヴィット・リンチ監督の真骨頂系作品を近い内に目にしたいですね。ちょうど去年の1月に亡くなっていると知り、非常に悲しいです。もっとこの方の作品を観たかった。そういう風に思うことばかりでございます。
カルト映画、いいですよね。いい文化です。私が映画館に通うきっかけになった一つの出来事が、ある新宿の映画館でカルト映画だけの上映会があり、そこで「サンタ・サングレ 聖なる血」を鑑賞したことなのでジャンルそのものが非常に思い出深いです。いつかその話もどこかで書かせていただきます。
カルト映画といえば「プラン9フロムアウタースペース」、ちゃんと観たいですね。Wikipediaで鑑賞できるカルト映画。でもせっかくなので劇場で観て、「は?」ってなりたいです。それこそが映画館の醍醐味でございますから。
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