こんばんは! チネローテル大家です。
皆さんは、「フランケンシュタイン」はお好きですか?
私は大好きです! 最初に知ったのは子供向けの絵本だったでしょうか。あるいは東京ディズニーランドのハロウィンイベントでキャラクターが仮装した姿だったでしょうか。全身に縫い目のあるその外観になんとクールなデザインなのだと驚き心躍ったのを覚えています。
映画的なモチーフとしてフランケンを扱っている作品でお気に入りといえば、やはり『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のヒロイン・サリー、あるいは彼女の生みの親であるフィンケルスタイン博士でしょうか。あ、でもサリーは縫い目こそあれど人形なので、名前的に考えると博士の方がフランケンシュタインですかね。彼は最後に自らの手で伴侶を生み出すわけですし。ハッピーエンド世界におけるフランケンシュタインの姿なのかも。あるいは要素を分離させているのか。
そういうわけで本作はかなり楽しみだったのですが、なんというか、ちょっと勿体ないな~と感じてしまいました。要所要所で好きだなと思う場面はあれど、全体的にはそれこそツギハギというか脈絡のないような……ううむ。
映画『ザ・ブライド!』の感想です。
簡単あらすじ
※上記は、筆者チネローテル大家によるオリジナルのあらすじです※
Filmarks短評
映画『ザ・ブライド!』のレビューを書きました! https://t.co/5w7mvwu9xP #Filmarks #映画
— チネローテル大家 (@cinerotel) 2026年4月12日
ちょっと勿体無いですかね
評価:★★★(星3)
※性描写あり
ネタバレなし感想
■素材はいい
本作、予告がとにかくイイのですよね。
イカしてる。
ですがこの広告はかなり誇大広告です。どこかスケールが大きく見えますが実際はそんなコトなく、別に世界が狂っているというよりかは多分この街が腐っているだけというか……。
本作はホラー・スリラーというには別にビックリ要素は大したことなく恐ろしくもなく、ヒューマンドラマというには人物の描写が足りず、言うなれば恋愛映画なのでしょうけれど割とこう、ノリ感が強い印象でして。人物描写の少なさというか、不足感が足を引っ張っているというか。場面場面の美しさや惹き込まれ感はいいのですが、バランスとしては結構歪に感じました。
■多分、強い女性の映画?
本作における男性は全体的にあまり格好良くありません。どこか自分勝手だったり、情けなかったり、横暴だったり、哀れだったり。一応主人公格のフランケンシュタインの怪物=フランキーについては、アイダ*1を守るために行動を起こすのですがその良い行動と同じくらい情けない姿も目立っています。その一方で強い女性(強いの意味は精神的にも、能力的にも、様々)が登場し行動を起こしていきます。
その部分にそこそこ思想を感じてしまったというか。別に映画で監督ないし脚本家の思想を表現することが悪いとは思わないのですが、それが物語の枠を邪魔するようににじみ出ているとちょいと気になってしまいます。
私は本作の映画外で起こっている問題などについてはあまり詳しくないですし、感想や評価に持ち込むつもりはございませんが、それを抜きにしても思想が物語を少し邪魔しているように思えてしまいました。別に強い女性を出すことはよいのだけれど、それだけというのはなぁ。捻りとかがないのはなんだか逆に陳腐に思えてしまいました。
最近の洋画、何かと強い女性出がちな印象ございますので……。
ネタバレあり感想
ご覧になる際はご注意ください。
女性版『ジョーカー』?
フランキーとアイダの行動により、世の中に不満を持った女性らがアイダと同じような口元になるようメイクを施してデモをするという場面がございます。
正直、前半部分では世の中がどれだけ碌でもないかがよくわからなかったので、なんで急にそんな話になったのかと困惑しかございませんでした。一応マフィアの存在と刑事に女性がいないということは分かっていて(かつ有能な女性が刑事になれずに秘書扱いされている)、この状況で女性の殺人鬼(厳密には違いますが世の中的にそういうことになっている)が現れたところで女性らのフラストレーションが爆発してデモを起こすというのがいまいちよくわからず。
本作は“結果”はあるのですが“過程”が全体的に不足している印象でございます。なんでそうなったんだ? が結構雑。それこそ最初はあまり関係性がよくなかったフランキーとアイダが仲を深めた理由もアイダの中に巣食うメアリーが引き起こしたヒステリックゆえのものというか。うーん。このメアリーという存在もだいぶ難しくて、結局彼女が何をしたかったのかもよくわからず。女性が虐げられる世界を変えたかったのでしょうか?
なんというか、もっとぶっ飛んだ話かと思ったら結構こじんまりしていたといいますか。ぶっ飛んでいるのもアイダではなくアイダの中にいるメアリーですからね。フランキーはメアリーを好きになっているっぽいので色々と気になってしまう。まあ当人たちが楽しそうならええか。
このあたりの展開については『JOKER』を思い出す部分はあったのですが、あちらは暴れて然りというか、社会現象になるのもさもありなんとばかりの凄まじい内容でございましたからね。あれくらいのパワーといかずとももう少しテンション上がるような展開がほしかった。
アイダとフランキーの関係性
好きだけど中途半端感があってハマりきれなかったのは事実。
この二人の間にあるのは本当に愛だったのか? それともただの共依存? 前述の通りアイダの中にいるメアリーの行動に、フランキーは惹かれていたっぽいのでどうにもこうにも。あっちこっちでヘンに利用され続けるアイダの一生貧乏くじ引かされっぷりはだいぶ可哀想。
そういう話なのか? 本作は男に雑に所有・管理され消費される女性の復讐の話だったのか? ううむ。そういう話を観たかったわけでは……まあこれは勝手に私が予告から想像した方向性と違っていたというだけの話なのでよいのですが。
ラストが物足りない
多分ハッピーエンドなんですけどね。
一応ラストのクレジットでマフィアの男が炙り出されデモ隊に囲まれ、この後もちろん成敗されますよ~みたいな雰囲気で終わっていましたが、なんで? 今まで全然捕まらずに悪事の限りを尽くしていたボスがあんなにあっけなく捕まることございます?
なにか見落としていたのかかなり不安になりました。本当に見落としていたらすみません。本作とにかく構成が歪なので、観たい場面が短かったり必要な場面がなかったりとだいぶアンバランスな気がいたします。もっとこう、エンタメに振ることはできなかったのか。ビジュアルはいいのだけれどなあ。映画を観てまわるというのもおしゃれでステキですけれども、なあんか物足りないといいますか。アイダが最後、自らを「ザ・ブライド」とした理由もよくわからなかったので。もう所有されたくないという意思の現れなのかもしれないのですがそう発言するに至るきっかけがよくわかりませんでした。
うーん、男性の支配から逃れたとしても、アイダは結局制作陣の操り人形なのかな……。生きてる感じがあんまりしなかったなあ。いえ、死んでいるのですがね。
映画『ザ・ブライド!』の感想でした。
難しいですね。バランスとは。予告から期待する物語とは。そんなもの人によって違うのだから合わなければ合わないでまた新たな映画との出会いに赴くのでしょう。フランケンシュタインという題材自体は凄く好きだけに、難しさは加速してしまう……。
↓もしもお気に召されましたら…クリックやスターなど…励みになります! いつも感謝です↓
*1:厳密にはいくつか名前があるのですが、本記事ではわかりやすさ重視でアイダで統一します