皆さんは、『嵐が丘』をご存知ですか?
私は元々知らなかったのですが、一時期熱心に遊んでいた韓国のゲーム『リンバスカンパニー』にて、『嵐が丘』を題材にしたキャラクターがおりまして、その関係で知ることとなりました。ゲームの理解を深めるために内容をさらっとではございますが履修しております。
『リンバスカンパニー』に登場するキャラクターには元ネタとなる作品が存在しており、それに沿った関連登場人物や世界がゲームの世界観の中で少しアレンジされてお出しされるといった形でございました。
なので、本作の登場人物は聞き馴染みのある名前ばかりでした。予告時点で、これが原作か~! 楽しみ~! とワクワクしていたのですが……鑑賞中の私は少し困惑しておりました。記憶を辿りながら思った感想はすなわち……あれ? ワザリング・ハイツって、こんな内容でございましたっけ?
映画『嵐が丘』の感想です。
簡単あらすじ
※上記は、筆者チネローテル大家によるオリジナルのあらすじです※
Filmarks短評
映画『嵐が丘』のレビューを書きました! https://t.co/ts5I3pgfDV #Filmarks #映画
— チネローテル大家 (@cinerotel) 2026年2月28日
みなさんコミュニケーションに難あり過ぎる
評価:★★★★(星4)
※かなりがっつり性描写あり
※原作『嵐が丘』については軽くではありますが履修済でございます
ネタバレなし感想
■ビジュアルと楽曲の美しさ
ここについては間違いなく素晴らしかったです。キャサリンやヒースクリフのビジュアル、そしてロケーション。美しい自然であったり、宮殿のように豪勢な建物であったり、荒れ果てた邸宅であったり。キャラクターたちの服装や食べ物なども舞台の雰囲気がわかり好印象でした。
そして楽曲。音響効果も含めかなり印象的でした。立体的な聞こえが特に目立っていた気がいたします。物語に華を添える、いい楽曲群でございました。時代背景的には謎なポップなBGMはございましたが、予告の時からそうだったのでそういうものなのかなぁと。
■原作『嵐が丘』の一部分でしかない
本作は初代キャサリンとヒースクリフのお話に焦点を当てた内容になっております。原作では初代キャサリンの子供にまで話が波及するのですが、その部分や序盤の邸宅の幽霊どうこうの話もカット。そして復讐譚というよりは、完全にラブストーリー……というかこれはコミュニケーションに難ありな大人たちがじわじわ破滅していくヒューマンドラマWith性的描写みたいな映画ですね。いわゆる性の目覚めとかそういう話も入っている。
ので、原作の忠実な映画化を期待すると困惑してしまうかもしれません。私は鑑賞中は違和感を覚えつつもうろ覚えであったことが幸いしてそこまで混乱を極めることはございませんでしたが。
ネタバレあり感想
ご覧になる際はご注意ください。
セキュリティがなってないしコミュ力もない
建物的な意味でも肉体的な意味でもキャサリンのセキュリティが雑すぎでございますけど!?
望まぬ結婚ながらも家とお金のために自らのヒースクリフへの想いを封印したキャサリンと、キャサリンにふさわしい男になるために何も言わず勝手に出ていってしまったヒースクリフなわけですが、二人は再会を果たしてしばらくしたらもう不倫不倫の不倫祭りでございますよ。
ヒースクリフ本人は「自分を信じて待っていてくれなかったキャサリンへの仕返しである」という発言をしておりますが、少なくとも本作ではそういうものより明らかにキャサリンへの愛情を拗らせている印象が強いもしくは脳破壊された反動でもう散々手籠めにしている……。夫の邸宅でこの手の行為はNGでございませんか!?(NGです)
というかキャサリンに「待っていてくれ」とヒースクリフは事前に伝えれば良かったのでは!? とも思いつつ、わかっております、こうなってしまった要因はキャサリンの側仕え・ネリーにもございますから。彼女の策略により、ヒースクリフはキャサリンの言葉の悪い部分だけを聞き取るに至ったわけですし。
正直ネリーがだいぶ戦犯っぷりを発揮しているのでございますが、ネリーはキャサリンのふるまいに常日頃腹を立てており、悪意をもってキャサリンの状況を悪化させることをしていたという背景があり、確かにキャサリンに問題があったのはそうなのですが……。
ただネリーが悪意を発揮するに至った理由は、子供のヤキモチに近いものでは? と個人的には思っておりますが。ヒースクリフが家に来たことにより、キャサリンはネリーに構うことが少なくなったので。もしかしたらネリーはキャサリンを愛していたのやもしれませんがその真意は察することしかできません。愛憎というやつでございます。なんでもいいから君らちゃんと話し合ってくれ。察してじゃあどうしようもないほどに状況がひどいのでございますよ。
こういうドロドロ感情の応酬は本作の魅力ですよね。見ていて「話し合ってくれよ……」の気持ちが強すぎてしまいましたが。話し合ってくれよ。話し合ってどうしようもなかったら仕方ないですけども。
性描写が多すぎる
本当に全年齢対象の作品ですか?
大事なところを見せなければオールオッケー! といわんばかりに色々と露骨なので鑑賞していて結構面くらってしまいました。性描写以外でも性的メタファーの贈り物も出てきますし(あの仕掛け絵本はそうですよね……)、だいたいインモラルでございますし。といいますか、ああいう床の板で隠したほうが逆に破廉恥ではございませぬか? あと目元と口元を抑える欲が出ているのを見て眉間にシワが寄りましたよ? さすがにエロティック過ぎではございませぬか? こんなには不要では?
あっちゃこっちゃであれやこれややっていたわりに、キャサリンはどうしてヒースクリフと駆け落ちしなかったのだろう。このあたりは時代背景や状況などもあるかと思うので、なんとも言い難いのですが。全部ひっくるめてヒースクリフの復讐だからか。いうほど復讐になっているか?
子供時代の清らかさよ
ヒースクリフとキャサリンの幼少期の場面はどれも本当に好きでした。終盤でも再度登場いたしますが、すべてがどうしようもなくなってからのあの場面だったのでいたたまれず……ラストシーンからあの場面本当に素晴らしかったですね。正直子供時代をもっと見たかった。
本当に、早いうちから話し合っていればこんなことには……あるいは素直に想いを伝え合っていたら、いいや確かに伝わってはいたのに、そもそも成り立ちが特殊な関係でございましたから。立場と時代と金銭状況が難しく、その上ダメ押しですれ違いも発生しておりましたから。悲しいなあ。
……あれ、キャサリンの子供は!? 『嵐が丘』完!? い、いいんですかこれで? いえ、あの、制作車の方々が「これが我々がどうしても作りたかった嵐が丘です!」とおっしゃるのでございましたら私は何も申し上げることはないのでございますけれども。い、いいのか……? 意地を張った哀れな男がベッドにぽつねんで終わっちゃった……。
ベッドの下にいた頃のほうが幸せだった?
映画『嵐が丘』の感想でした。
すれ違いという概念は素晴らしいものでございますが、ここまですれ違い続けると逆に変な笑いが出てきてしまうと言いますか、なんなんでございますかね。恋愛って人を狂わせるとは聞きますがここまでおかしくなることございます? ……あるのかなぁ。だからこそ世間から浮気も不倫もなくならないのかなぁ。もちろん、本作は創作でございますが。

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