チネローテル 映画感想ブログ

映画館で観た映画の感想を書くブログ

【雑記】これまでの映画館の私を残そう #04「映画館のフードを食べるタイミング」

ごあんない
『これまでの映画館の私を残そう』は、
 筆者が映画館での出来事や思い出についてゆるく書くシリーズです。
 映画感想のストックがないときなどに不定期に更新されます。

今日のお話は「映画館のフードを食べるタイミング」。それではどうぞ。

 

 

 映画の上映前。座席に座ってのんびりしていると、後から入ってくるお客さんたちがポップコーンや飲み物を載せたトレイを持っていることがちらほらある。映画館と言えばポップコーン、映画といえばコーラ……そんなイメージがあることは事実否めない。様々な映画館ごとにフードやドリンクの特色があるし、上映前のフードコーナーはかなりの列を成していることも多い印象だ。

 しかし、私は思う。皆さん器用で凄いな……と。

 私は、上映中に食べ物を食べることができない! 飲み物すら怪しい。
 小学校高学年くらいの頃だったろうか、家族と映画を観に行った際、ジンジャエールのLサイズを片手にスクリーンに足を踏み入れたわけなのだが、映画の終了後内容量は5%も減っていなかった。あの時観た映画は多分……『ALWAYS 三丁目の夕日』だったろうか。すっかり炭酸が抜けて溶けた氷で薄まってしまった、余韻みたいな味のジンジャエールを呆けて飲み干した記憶がある。

 つまるところ、映画に集中してその他すべてが疎かになるのだ。いや、私はその他すべてをおろそかにしてでも映画に集中したいという意思のもと鑑賞しているのだから何も間違ってはいないのだが……。それ以外の理由もある。私は物を食べるのが下手なので暗闇での食事ができない。おそらくポップコーンバケツはひっくり返すだろうし、ホットドッグは落とす。飲み物は小さいサイズであればまだなんとかなる。映画のはしごの最中にどうしても水分を摂取する必要が出た場合のみ購入することがあるのだが、右のホルダーか左のホルダーか、どちらに入れたかを忘れかけるし、どちらに入れても隣の席の方のご迷惑になるのではないかという謎の強迫観念に駆られるため膝の上に置いている。緊迫した映画だと握りつぶしていることがある。危ない。

 なら、映画館でフードを買わないのか? という問いがあるかもしれないが、それについてはNOと回答する。私は冗談抜きで朝から晩まで(途中諸事情により一時的に別の場所へ行くことはあれど)映画館にいることが多いため、映画と映画の合間の僅かな時間で栄養を補給するためには食材が必要不可欠である。そのため、割と買う。映画館への応援の気持ちを形にしたいところもある。

 なので、私は上映前、かつスクリーンに入る前に、片手にトレイを抱えて、片手でフードを食べる。行儀など知ったことではない、マナー講師も裸足で逃げ出す滑稽さであろう。しかも映画と映画の間が15分などということもざらにあるため、購入時間を含めると実際に食する時間は10分を切ることが多い。

 ホットドッグのケチャップをかけるのに四苦八苦し、どうにかそれらしくなったと自己判断した刹那おもむろにかぶりつく。咀嚼を一心に繰り返して二口、三口で食べ終える。熱い烏龍茶(凄い勢いで飲むことになるためコールドドリンクはうっかり腹をくださないよう避けることが多い)をあおって、トレイを下に、チュロスにかぶりつく。シナモンシュガーの散らばりをどうにかトレイ内に抑えつつ、二口三口、四口五口で食べ終え、ウェットティッシュで手を拭き再び烏龍茶をがぶ飲み。時間があればお手洗いに寄って手を洗い、その勢いでスクリーンへ駆け込む(※気持ちの上の比喩である。歩いて入る。走ってはいけない)。

 あまりにもエネルギー補給以外の何物でもない無骨な食スタイルだなと振り返って思った。だが労働の合間に食べる栄養ゼリーと栄養ブロック食が与えてくる心の虚無さと異なり、私はこの映画館・フードファイト(小規模)が好きだ。やはり、私を待ってくれているまだ観ぬ作品たちを万全の状態で受け入れたいという気持ちのお陰なのだろう。こうして、私の映画館の一日は滞りなく過ぎてゆくのだ。

 それはそれとして、以前『悪魔のいけにえ』を鑑賞した際、左隣、もひとつ飛んで隣の席のあたりから、赤ワインの香りがしていた。あれはとてもいい趣味をしているなと感心した。酒に合う食べ物があるように、酒や飲み物に合う映画というのは間違いなく存在する。私もそういうものを嗜めるような技量と心の余裕を身につけたいものだ。どこかに売っていたら教えてほしい。言い値で買う。

 

(了)