チネローテル 映画感想ブログ

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【映画感想】全知的な読者の視点から(ネタバレ有)_これラノベゼミでやったとこだ

皆さんは、ライトノベルはお好きですか?

私は一時期かなり好きでして、それこそ『ソードアート・オンライン』シリーズが大好きでした。初期の頃(具体的にはアリシゼーション編前くらいまで)の読者のため最近の展開は追っていませんが、今でも作品が続いているのは凄いですよね。他には『とある魔術の禁書目録』も初期は原作を読み、アニメも観ていました。他、なろう系と呼ばれる作品の(色々な意味で)有名作である『異世界はスマートフォンとともに。』もアニメ観てましたね。あまりにも揶揄されるからどれだけのものなのかと思って鑑賞してみたら案外楽しめてしまった側でございます。

と、今挙げた三作品には共通点がございまして、「主人公が何らかの特殊な力や能力を持っていること」です。『ソードアート・オンライン』の主人公・キリトは「(SAOにおける)ベータテスト経験と天賦の才ともいえる反応速度」、『とある魔術の禁書目録』の主人公・上条当麻は「全ての魔術を無効化する右手」、『異世界はスマートフォンとともに。』の主人公・望月冬夜は「スマホの使用権利と戦闘にまつわるチート能力」。
※厳密には話が進むに連れ増えたり減ったりしているものもございますが、代表的なものを挙げさせていただきました。

本作も言わばその類。要するに「俺だけが結末を知っている創作小説の世界が現実になった件について」でございます。

 

映画『全知的な読者の視点から』の感想です。

簡単あらすじ

会社員の青年ドクシャは、うだつの上がらない日々を送っていた。彼の唯一といっていい楽しみが、自分だけが連載を追い続けているWeb連載小説を読むこと。ついに小説は完結を迎えるが、あまりの悲劇的な結末にドクシャは作者へ文句をつけてしまう。ほどなくして作者から「結末が気に食わないのであれば君の望む結末を見せろ」と返事が来る。その時、ドクシャの乗っていた電車が緊急停止。そこから巻き起こったのは、彼の知るWeb連載小説の冒頭の展開で……

※上記は、筆者チネローテル大家によるオリジナルのあらすじです※

Filmarks短評

評価:★★★★(星4)

 

ネタバレなし感想

■実写でこんな展開やっていいんだ!?

なんといいますか「うわあ! この展開知ってる!」のオンパレードでございました。もう少し具体的に言うならば、どこかで見たことのある展開がたくさん詰め合わされているといったところでしょうか。別にパクりという意味ではなく、オマージュ的な方向性です。あと「あるある」ネタというやつでございますしね。

この「あるある」を理解できるかどうかで本作を楽しめるかどうかは変わってきてしまうかと思います。真面目に鑑賞しようとすると荒唐無稽とカオスで爆発してしまうかと思うので。ただ話は分かりやすく、そこまで入り組んではいないため設定を一回飲んでしまえば楽しめる気はいたします。私は楽しかったです。方向性的には『ソードアート・オンライン』系列なので馴染み深いですね。オンラインゲームではございませんが基本システムや仕様が似たノリでございます。

CGの妙に浮いている感は否めませんし、主人公たちの服装に対して世界美術が派手過ぎて噛み合っていないみたいな妙な面白さがB級感を底上げしてしまっている印象ではございますが、そこはまあそういうものだと受け入れていただければよいと思います。ワイヤーアクションは楽しい! 最高!

……『エイリアノイド』もこの類だったので韓国映画あるあるなのか?

 

■続編前提かもしれない

原作などを一切知らずに鑑賞したこともあってスケール感がわからなかったのですが、どうやらかなりの大スペクタクル長編なのですねこれ。続編がありそうな終わり方をしていました。ただ本作だけでも一応の区切りは迎えるので、そこに関しては安心していただいて大丈夫です。

 

ネタバレあり感想

注意
ここから先は、映画『全知的な読者の視点から』のネタバレが含まれます。
ご覧になる際はご注意ください。

 

 

 

イキらない系主人公

周囲の人より有利ではあるけれど、その有利さで妙にイキったり調子に乗らないドクシャくんが偉い。

本作の主人公・ドクシャ(読者だからドクシャって凄いネーミングですよね……覚えやすくて素晴らしいですが)は、小説をくまなく読み込んでいたがゆえに小説と同じ展開の起こる世界で圧倒的なアドバンテージを得ています。

しかし、彼は基本的にはその力を自分のために使うことはなく、人を守るために使います。その力を誇示することもないし、悪用することもない。星座を満足させるためにイキり青年のようなノリを演じることはございましたが、それはあくまでその時のものであり、彼は力を手に入れた前と後で大きくは変わりません。

これは大事! 主人公を好きになれるかどうかが大きく変わってしまいますゆえに。彼は等身大の自分を忘れることなく生き残るために努力します。そのため周囲の仲間たちも彼についてくるし、一緒に戦ってくれるわけでして、この納得できる部分がないと悪い意味で「なろう系」と揶揄されることになるのですよね……。
どうして主人公の周りに人が集まってくるのかわからないとなってしまうとこの手の作品は急に陳腐に見えてしまう。最悪なパターンは「作者が主人公に自分を投影して自己満足に浸るための作品だろ」と言われてしまうこと。もちろん突き抜けてギャグにすることはできますが。

本作はドクシャくんの成長物語としてちゃんと一本筋を通していたと感じました。仲間のキャラも結構立っていてよかったですね。ヒロインにあたる元同僚の女性が若干薄いかなくらいか。

 

ビジュアルに説得力が欲しい

無敵の「原作主人公」であるジュンヒョクですが、ビジュアル的にあんまり強そうに見えないのが残念でしたね。あのロングコートが逆に滑稽に見えてしまう。それで一匹狼キャラということなので(もちろん理由はあるものの)、余計に痛々しさが増す!

公式サイトを観ていて思ったのですが、ジュンヒョクは止め絵だとかなり映えるのですが動くと……その……そこまで格好良く見えないといいますか。どうしてなのだ。予告の段階だとドクシャくんの方が垢抜けていない感じがあったのですが、映画を観るとむしろドクシャくんの方が輝いておりましたね。敢えてそうしているのかもしれませんが、もっとビジュアルに説得力がほしかった。

あ、でもトッケビはいいデザインしてますね。キャラもいい。

ううむ、敵のデザインに一貫性がないから浮いて見えてしまうのかなあ。表示される画面のUIはさすがに統一されておりますが、もうちょっとこう、どこかしらに統一感を持たせてほしい印象がございましたね。

ジュンヒョクの武器の出し方は格好良かったのですがすごい既視感があって……なんでしたっけ……うーん……あ、『FF15』か……?

youtu.be

 

敵も『FF16』のイフリートっぽさあったような気もしなくもないですし、ビジュアルのオマージュ元なのかもしれませんね。

 

 

続編ありか~

この話どう着地させるんだ? と思ってはいたのですが、やはり終わりませんでしたか~。もちろん鑑賞中に薄々感づいてはおりましたし、話の内容的に仕方ないとは思っています。本作だけで区切りはついているのでよいのですが、あと何作も作れるのかこの方向性で? 一体続きができるのはいつになることやら、完結するのはいつになることやら……。

そう考えるとスケールのヤバさでは本作に引けを取らない『エイリアノイド』は、前後編の二作で完結しており、凄い頑張っていたのだなぁ……。本作は二作では終わらなさそうです。最低でも三、四本は作ることになりそう。制作費をしっかり回収できれば良いのですが。

▼要素ドカ盛りカオス韓国映画『エイリアノイド』の感想はこちら

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映画『全知的な読者の視点から』の感想でした。

頭空っぽで楽しめる系作品であったのですが、冷静になって今気づきました。これ「オチにケチつけられて逆ギレした作者が読者に無理やり話を書かせて作ったタイプの二次創作」ですか? 元々人間にいい感情持ってなさそうだしな、作者……。でも最後手助けしてくれたのはアツかった。一般的にはこのような栄養素が必要とされています。

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